韓進造船所の買収元、10月末に決定の見通し

(フィリピン)

マニラ発

2019年09月20日

フィリピンのスービック湾都市圏公社(SBMA)は9月12日、1月に会社更生法を申請して経営破綻した韓進重工業フィリピンの買収企業が10月末にも決定し、12月には公表できる見込みだと発表した。

SBMAは、買収元となる企業の名前を明らかにしなかったが、「複数の外資系企業が債権団と協議しており、経営破綻によって解雇された3万3,000人の従業員の雇用についても同意に至った。フィリピン企業も買収に関心を示している」と説明した。買収元をめぐっては、貿易産業省(DTI)が4月、オランダのダーメン、フランスのナバルグループ、そのほか、中国、米国、日本、韓国など複数の企業が買収に関心を示している、と地元メディアに説明した経緯がある。

韓進重工業フィリピンの地場銀行に対する負債総額は4億1,200万ドルに上り、フィリピン国内で過去最大規模の倒産といわれている。債権者にはRCBC銀行(債権額1億4,500万ドル)、ランド銀行(8,500万ドル)、メトロポリタン銀行(7,000万ドル)、BDO銀行(6,000万ドル)、BPI銀行(5,200万ドル)が含まれる。また、韓国国内の債権者に対する負債総額は9億ドルに達するとされる。

親会社の韓進重工業は、韓国における中堅規模の造船会社で、2006年にフィリピンに子会社を設立し、コンテナ船などの造船を行ってきた。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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