コメ価格高騰を受け、輸入備蓄米18万トンを市場に放出

(フィリピン)

マニラ発

2019年09月24日

フィリピン農業省は9月12日、2月に施行した改正農業関税化法に基づいて輸入したコメのうち18万トン(50キロの米袋360万袋分)を、10月10日を期限として市場に放出すると発表した。市場に放出する18万トンは、8月1日時点での全国のコメの在庫213万3,840トンの8.4%に当たる。

農業省のウィリアム・ダール長官は地元メディアに対して、輸入備蓄米の市場への放出によって、現在1キロ当たり38ペソ(約80円、1ペソ=約2.1円)から40ペソと高騰しているコメの価格を27ペソまで下げるとした上で、「同時にコメ農家からの買い入れ価格を現在の1キロ当たり17ペソから19ペソに引き上げ、これによって各コメ農家に平均8,000ペソの追加収入が入ることになり、コメ農家の困窮問題の解決にもつなげる」と説明した。

農業省はさらに、社会福祉開発省が国内の生活困窮者に毎月支給している現金600ペソの代わりに、600ペソ分のコメを支給する事業を開始することで、さらなるコメの市場流通を後押しする、とした。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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