トランプ米大統領、燃費基準に関するカリフォルニア州への例外措置取り下げ方針を表明

(米国)

ニューヨーク発

2019年09月20日

トランプ米国大統領は9月18日、自動車の排ガス規制に関し、カリフォルニア州への適用除外措置を取り下げる方針であることをツイッターで表明した。トランプ政権は、排ガス規制が連邦の基準値に統一されることで新車の車両価格が低下して需要を喚起し、生産が伸びることで雇用の大幅な増加につながるとみている。また、性能が高い新しい車両が増えることで路上の安全性が増し、環境への負担が減少するとも述べている。

カリフォルニア州は2013年に大気浄化法(Clean Air Act)209条に基づいて、連邦の排ガス規制適用の除外が認められており、連邦よりも厳しい燃費規制を実施している。しかし、トランプ政権は2018年8月に、州が独自に定める規制の廃止を盛り込んだ新たな「SAFE車両規則」の案を発表し(2018年8月10日記事参照)、いまだ実施されていない。

そうした中、トランプ政権は9月、カリフォルニア州との間で排ガス削減を目指す自発的な枠組みに合意したフォード、ホンダ、BMWノースアメリカ、フォルクスワーゲン・グループ・オブ・アメリカの4社(2019年8月5日記事参照)に対し、独占禁止法違反の疑いで調査を開始するなど、強硬な態度を示すようになっている。

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は9月18日、CNNのインタビューで、「トランプ大統領は一体誰を支援しようとしているのか。大統領は、企業が消費者のために行っていることを司法省を使って阻止しようとしている」と述べた。

他方で、報道によると、米系メーカー3社やトヨタ、フォルクスワーゲンなどが構成する米国自動車工業会(AAM)は、メーカーや従業員、消費者にどういった影響を与えるか全体像を把握すべく今回の決定を検討する、と慎重な姿勢を見せるにとどまった。

(大原典子)

(米国)

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