湖南省、上半期の貿易総額の伸び率が40.1%で全国2位

(中国)

武漢発

2019年09月02日

中国の中部4省(河南省、湖南省、湖北省、江西省)における2019年上半期の貿易総額は、河南省が前年同期比1.1%減の2,103億4,000万元(約3兆1,551億円、1元=約15円)、湖南省が40.1%増の1,823億元、湖北省が10.6%増の1,684億4,000万元、江西省が8.9%減の1,577億4,000万元となった(表参照)。

表 中部4省における2019年上半期の貿易概況

伸び率でみると、湖南省(40.1%増)が最も高く、中国の省・市別でも2位となった(1位は海南省)。湖南省の貿易額を相手国・地域別でみると、中央アジアや中東などの「一帯一路」沿線国が514億6,000万元(53.6%増)、香港が273億5,000万元(64.1%増)、EUが271億3,000万元(62.3%増)、ASEANが248億9,000万元(61.4%増)だった。米国向けは2.6%減の150億1,000万元となっている。また、主要な貿易品目は輸出入ともに電気機械製品やハイテク製品だった。

湖南省商務庁の徐湘平庁長は貿易総額が大幅に増加したことについて、「湖南省は包括的な対外貿易の総合サービスシステム体制の構築を推進し、融資サービスシステムの構築なども実施している。それらの効果が徐々に表れている」とコメントした(「新浪財経綜合」7月17日)。

湖南省と欧州を結ぶ鉄道貨物列車が増便

EU諸国や「一帯一路」沿線国との貿易が増加した要因の1つに、湖南省と欧州を結ぶ貨物列車(中国語名:湘欧快線)の開通が挙げられる。8月12日の長沙市人民政府物流・口岸弁公室の発表によると、1~7月に湖南省長沙市を出発した欧州向けの貨物列車は前年同期の2.3倍の240本となった。「湘欧快線」は2014年10月に開通し、2015年9月から定期便の運行が始まった。現在、湖南省からオランダ、ドイツ、ポーランド、ロシアなど27カ国向けに運行しており、約13~17日でアクセスすることができる。貿易品目をみると、欧州向けには電子部品や機械部品、衣類、陶器など、湖南省向けには木材や自動車部品、工事設備、高級衣類、食品などが輸送されている。

長沙税関は2019年に入って、通関申請のオンライン化やペーパーレス化などの改革を進めており、通関手続きの簡素化や通関にかかる時間を3分の1程度に短縮することを目指している。

(片小田廣大)

(中国)

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