モディ首相の地元GJ州で、日印ビジネス・観光セミナーを初開催

(インド)

アーメダバード発

2019年09月12日

モディ首相の地元である、インド西部グジャラート(GJ)州の最大都市アーメダバード市において、日印ビジネス・観光をテーマとした初のイベントが8月30、31日に開催された。「インド-日本 ビジネス&観光会合」と題するイベント〔アーメダバードマネジメント協会(AMA)主催〕には、両国関係者・観光業界など両日で総勢600人が参加、セミナーや商談会が実施され、今後の両国間のビジネス、観光促進への期待が高まっている。

8月30日に開催された開会式では、ムケシュ・パテル印日友好協会会長(前AMA会長)が、日本の観光名所を収録した新写真集「日本はすばらしい」(注)をお披露目し、「多くの人に手に取ってほしい」と、日印のさらなる交流を呼び掛けた。開会式には、ニティン・パテルGJ州副首相、スジャン・チノイ・インド国防問題分析研究所(IDSA)所長(前駐日インド大使)、原田美智雄・駐ムンバイ日本総領事のほか、インド日本商工会(JCCII)、国際協力機構(JICA)、日本政府観光局(JNTO)、ジェトロなどが出席した。来賓あいさつで、スジャン・チノイIDSA所長は「ビジネスだけでなく、観光や文化交流にも焦点を当てたイベントはほかに例がなく、グジャラートモデルとして、他州でも同様のイベントが開催されることを強く望む」と語った。

写真 日本の観光名所をまとめた写真集「日本はすばらしい」(ジェトロ撮影)

日本の観光名所をまとめた写真集「日本はすばらしい」(ジェトロ撮影)

JNTO、アーメダバードで日印旅行会社のB2B商談会を初めて実施

8月31日には、日印旅行会社などによるB2B商談会・セミナーが、JNTOデリー事務所の主催で開催された。本商談会にはJAL、ANA、JR東日本、JTBインディア、H.I.S.、東京スカイツリー、東武ホテルマネジメント、プリンスホテル、横浜市ムンバイ事務所など17社の航空会社・旅行会社などが参加し、約70社のインドの旅行会社・メディアなどとの商談が行われた。アーメダバードでの商談会の実施は初めて。

商談会の参加メンバーからは「1月にムンバイとデリーで開催されたインド旅行博PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)への出展をきっかけに今回参加したが、ムンバイでは商談相手からの相談内容が具体的で、この7カ月間で訪日観光に対するさらなる関心の高まりを感じた。(今回の)アーメダバードでは訪日観光の情報発信・収集ができる良い機会となった」と話す。山本祐輔JNTOデリー事務所長は「2018年のインドからの訪日客数は15万人超だが、今後ANAの成田~チェンナイ線の運航開始、JALの成田~ベンガルール線の運航開始により、さらに増える見込み。アーメダバードからの訪日観光客取り込みにも引き続き注力したい」と語った。

写真 各ブースでインドの旅行会社などと商談する日本の旅行会社(ジェトロ撮影)

各ブースでインドの旅行会社などと商談する日本の旅行会社(ジェトロ撮影)

また、日印旅行会社などによるB2B商談会とは別会場で、ビジネスセミナーも開催され、鮎川堅一マルチ・スズキ・インディア社長兼CEO(最高経営責任者)らインド進出日系企業代表者が登壇し、インドでの活動紹介や現地化のための取り組みについて、約250人の参加者に向けて語った。

写真 グジャラート州における事業紹介を行うマルチ・スズキ・インディアの鮎川社長(ジェトロ撮影)

グジャラート州における事業紹介を行うマルチ・スズキ・インディアの鮎川社長(ジェトロ撮影)

(注)同写真集は、JNTOの協力を得て、AMAが制作・編集したもので、AMAの日本との交流活動実績も収録されている。2016年以降、GJ州と兵庫県、アーメダバード市と神戸市との間で経済交流が進んでいること(2019年7月12日記事参照)があり、表紙写真には姫路城、表紙裏面には神戸港の写真が採用されている。

(丸崎健仁)

(インド)

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