ホンダ、ナイジェリアでオートバイ生産40周年、累計生産100万台に

(ナイジェリア)

ラゴス発

2019年09月17日

本田技研工業(以下、ホンダ)のナイジェリア二輪部門現地法人ホンダ・マニュファクチャリング・ナイジェリア(HMN)は、1979年の設立以来40周年を迎えた。9月10日には、オートバイ累計生産100万台目のラインオフ記念式典を開催した。式典には本社工場のあるオグン州のノイモ・オイェデレ副知事も来賓として出席し、州経済への貢献に謝意を述べた。

写真 100万台目ラインオフのテープカット(ジェトロ撮影)

100万台目ラインオフのテープカット(ジェトロ撮影)

式典であいさつしたHMNの室岡克博社長は「2016年には原油価格暴落による不況のあおりで、従業員約300人のうち120人を解雇せざるをえなかったが、解雇した従業員の1人が残した『自分は去ってしまうが、ホンダだけは去らないでほしい。われわれの子供たちが将来ホンダで働ける機会をなくさないでほしい』との言葉に奮起した」とエピソードを紹介し、次の40年に向かってまい進していくと決意を述べた。

ホンダ本社から野村欣滋執行役員や古中利明アフリカ・中東統括部長が参加し、アフリカ最大市場のナイジェリアで今後も人々に愛されるバイクを供給し続けると述べた。

HMNは2018年度に6万4,000台を生産し、不況前のピークだった水準を超えた。2019年度はさらに上積みし11万台を生産予定で、設立以来最多の販売台数を見込む。

HMNは排気量110ccのオートバイ「Ace 110」を中心に生産している。インド製のブランド「バジャージ」や中国製の多数のブランドとの価格競争に対して、性能と耐久性、自社工場で組み立てて検査してからディーラーに出荷する生産管理で、全国約160社のディーラーと顧客から信頼を勝ち取っている。

ナイジェリアでオートバイはバイクタクシーとして広く利用され、市民に不可欠の交通インフラになっている。乗り合いの小型バスのバス停から自宅までの「ラスト1マイル」を、悪路に強いバイクが乗客と荷物を運んでいる。

(西澤成世)

(ナイジェリア)

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