デジタル化推進イベント「スイス・デジタルデー」に27万人参加

(スイス、リヒテンシュタイン)

ジュネーブ発

2019年09月17日

スイスとリヒテンシュタインで9月3日、3回目となるデジタル化推進イベント「スイス・デジタルデー」が開催された。主催者のデジタルスイス(注)によると、チューリヒやジュネーブ、ベルン、リヒテンシュタイン首都のファドゥーツなど主要都市12カ所で300以上の無料イベントが開催され、27万人が会場で、数十万人がオンラインで参加した。産官学の90以上のパートナーの参加を得て、今回のテーマである生涯学習や、デジタルによる変革が見込まれるモビリティー、行政、ヘルスケアといったテーマごとに、討論会やスタートアップのPRイベントを行った。

連邦参事会(内閣)からは、ウエリ・マウラー大統領兼財務相がベルンでの開会式に出席した。ギー・パルムラン経済・教育・研究相がベルン駅でデジタル化と生涯学習について講演したほか、シモネッタ・ソマルガ環境・運輸・エネルギー・通信相がベルンのホテルでデジタルライフスタイルの講演を行なった。ファドゥーツの会場には、リヒテンシュタインのダニエル・リーシュ副首相も登場した。

チューリヒでは、中央駅大広場にヘルスケアモビリティー、個人データ活用といったテーマごとの展示や討論会のブースが設けられたほか、南部のスイス銀行近くのブロックチェーン関係インキュベーション施設「トラストスクエア」では、ワークショップが開催された。ジュネーブでは、ジュネーブ大学で市民参加型のイベントが行われた。教育やスマートシティー関連の専門家が登壇し、参加者の質問を受けながらスピーチをした後、参加者は7つの少人数グループに分かれ、デジタル化が仕事や組織に与える影響、デジタル化への対応に必要なトレーニングなどについて議論した。

次回のデジタルデーは、2020年11月3日に開催される予定だ。

写真 チューリヒ中央駅構内のブース(ジェトロ撮影)

チューリヒ中央駅構内のブース(ジェトロ撮影)

写真 仮想現実(VR)ヘッドセットを付けたスイス建国の祖と言われるツビングリの像(チューリヒ中央駅構内、ジェトロ撮影)

仮想現実(VR)ヘッドセットを付けたスイス建国の祖と言われるツビングリの像(チューリヒ中央駅構内、ジェトロ撮影)

写真 ABBによる工作機械を用いたデジタル成型のデモンストレーション(チューリヒ中央駅構内、ジェトロ撮影)

ABBによる工作機械を用いたデジタル成型のデモンストレーション(チューリヒ中央駅構内、ジェトロ撮影)

写真 ジュネーブでのイベントの様子(ジュネーブ大学UNIメイル校、ジェトロ撮影)

ジュネーブでのイベントの様子(ジュネーブ大学UNIメイル校、ジェトロ撮影)

(注)スイスのデジタル化を推進するため、2016年に産学の発意で創設された。

(和田恭、城倉ふみ)

(スイス、リヒテンシュタイン)

ビジネス短信 9b27bb34764c022e