最先端技術を扱う第21回中国国際工業博覧会、上海市で開催

(中国)

上海発

2019年09月26日

「第21回中国国際工業博覧会」(以下、工業博)が9月17~21日、上海市の国家会展中心で開催された。工業分野で中国最大級の展示会であり、また、最先端技術を扱う展示会として1999年から毎年、上海市で開催されている。

工業博では、工業自動化、ロボット、省エネ環境保護技術、数値制御(NC)工作機械と金属加工、次世代情報技術、エネルギー技術、新エネルギーとICV(Intelligent Connected Vehicle)、科学技術イノベーション、新素材の9つの分野で展示が行われた。展示面積は前年と同じく12ホール(28万平方メートル)で、出展者数は2,610社、業界関係者など来場者は前年比横ばいの18万2,000人だった。

急発展する中国のロボット産業

今回は例年に比べ、工業自動化とロボットの展示エリアが拡大された。少子高齢化による労働人口の減少に加え、これらの分野では「ロボット産業発展計画(2016~2020年)」をはじめ、中国政府が数多くの育成策・支援策を発表しており、業界が活気づいている。中国ロボット産業連盟などの発表によると、自動車産業の低迷などを背景に2018年の産業用ロボットの販売台数は前年比1.7%減の約15万6,000台となったが、その市場規模は6年連続で世界最大だ。

ロボットの展示エリアには、世界4大メーカーのABB、KUKA、ファナック、安川電機がそろって出展したほか、川崎重工業や不二越、デンソー、セイコーエプソン、ヤマハ発動機など15社以上の日本企業が出展した。

また、会場には人工知能(AI)、第5世代移動通信システム(5G)、モノのインターネット(IoT)など先端技術の関連企業も出展した。例えば5G分野では、中国移動通信、中国聯合網絡通信、中国電信の3大通信企業のほか、大手ECプラットフォームのアリババグループや京東も出展した。

ドイツが積極的な出展

ドイツや韓国、台湾など国・地域別の出展ブースもあり、中でもドイツパビリオンには33社と多くの企業が出展し、ひときわ目を引いた。ジェトロが後援する日本パビリオンには丸山製作所や光明理化学工業など7社が出展した。

写真 来場者でにぎわう会場(ジェトロ撮影)

来場者でにぎわう会場(ジェトロ撮影)

写真 ジャパンブースの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンブースの様子(ジェトロ撮影)

写真 ドイツパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ドイツパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

(龐婷婷)

(中国)

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