中国企業がニジェール~ベナン間にパイプライン敷設へ

(ニジェール、ベナン、中国)

アビジャン発

2019年09月24日

ニジェール政府は9月15日、同国東部のアガデム盆地で石油開発を行う中国石油天然気集団(CNPC)との間で、ニジェールで産出された原油を隣国ベナンに運ぶパイプライン敷設に関するパートナー協定を締結した(9月17日付「Agence Ecofin」など)。パイプライン敷設は、内陸国ニジェールの陸上油田開発の一環として実施されるもので、アガデム油田地帯とベナンのコトヌ港を結ぶ計画だ。輸送手段がネックとなり、開発が停滞していたが、油田とコトヌ沖合の積み出し基地を結ぶ延長2,000キロのパイプラインが完成すると、開発に弾みがつくとみられる。

CNPCの子会社である中国石油天然気勘探開発(CNODC)が、パイプラインの建設を手掛ける。同社のワン・ジョン・ツァイ(Wang Zhong Cai)会長は、9月17日からプロジェクトが着工すると発表した。総工費は50億ドルと見積もられ、2021年末に完工の予定だ。

ニジェールでは2011年以降、石油開発が進んでおり、CNPCのほか、アルジェリア国営炭化水素公社(Sonatrach)と英国サバンナ・オイルが大型油田の発見を発表している。政府は、現在、日量2万バレルの石油生産が2025年には11万バレルに増加すると見ており、原油の輸出拡大を目指す。

ニジェール政府は2019年1月、石油産業を経済社会開発の原動力に据えた政策を導入しており、2025年には同産業がGDP比、歳入比、輸出収入比、雇用構成比のそれぞれ、24%(2017年現在4%)、45%(19%)、68%(16%)、12%(5%)を占めるとみている。

またニジェール政府は、2017年11月に脱退した採取産業透明性イニシアチブ(Extractive Industries Transparency Initiative:EITI、注)への復帰を要請している。

(注)資源産出国、支援国、資源採取企業やNGOが参加する多国間協力の枠組み。

(渡辺久美子)

(ニジェール、ベナン、中国)

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