ポーランドのドゥダ大統領がペンス米副大統領と会談、エネルギー面で協力深める

(ポーランド、米国)

ワルシャワ発

2019年09月11日

ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領は9月2日、ワルシャワの大統領官邸で米国のマイケル・ペンス副大統領と会談を行い、その後、両者が共同記者会見に臨んだ。

ドゥダ大統領は、ペンス副大統領がポーランドで9月1日に行われた第二次世界大戦勃発80周年記念式典に参加したことに感謝を述べ、エネルギー、軍事、第5世代移動通信システム(5G)ネットワーク(2019年9月11日記事参照)、ポーランド人の米国渡航時のビザの免除などについて話し合い、米国によるポーランドへの液化天然ガス(LNG)供給に関する契約が締結されたことなどを発表した。

ペンス副大統領は、現在、米国とポーランドの関係がかつてないほど強くなっているとした。同氏は、エネルギー面ではポーランドが米国エネルギー企業と3つの契約を結び、エネルギー供給を増やそうとしているポーランドの取り組みを評価した。これらの契約により、ポーランドは4年の間、70億立方メートルの天然ガスを毎年、輸入できるようになるという。また、原子力を含むエネルギー開発についても「協力を楽しみにしている」と関心を示した。同時に、ロシアへのエネルギー依存からの脱却に取り組んでいることを評価し、両国間の同盟関係を分断しようとしていると、ロシアへの警戒を促した。

質疑応答では、「ロシアをG7に含めるというトランプ大統領の考えに賛同するか」という質問に対し、ドゥダ大統領は「非常に複雑な問題」としながらも、南オセチア紛争やクリミア危機を例に出し、ロシアがここ数年、看過できない行動を取り続けている、とコメントした。

当初は、米国のトランプ大統領がポーランドを訪問する予定だったが、米国に接近しているハリケーン「ドリアン」への対応のため、ペンス副大統領が訪問することになった。

(楢橋広基)

(ポーランド、米国)

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