マクドナルドが2020年にロシア極東進出を計画

(ロシア)

モスクワ発

2019年09月11日

世界的な有名ブランドチェーンの多くが未開拓のロシア極東に、米国のマクドナルドが初めて店舗を開設するようだ。マクドナルド・ロシアのマーク・カレナ社長は、9月4~6日にウラジオストクで開催された東方経済フォーラムにおいて、同社が2020年にロシア極東で初めてとなる店舗を開く考えを明らかにした(マクドナルド・ロシア記者発表9月5日)。同社の発表では、極東で展開を計画する具体的な都市や店舗数は明らかにされていない。カレナ社長は「ベドモスチ」紙(9月5日)に対し、数店舗を開設するために2020年に10億ルーブル(約16億円、1ルーブル=約1.6円)を投資すると述べた。

カレナ社長は、ウラジオストク市のオレグ・グメニュク市長と9月5日に会談し、マクドナルドとしては通常は100万人の人口を有する都市に店舗を設立すると述べた上で、「ウラジオストクは100万人都市ではないが、非常に大きなポテンシャルがある。来る時が来たと理解している」と、ウラジオストクでの出店を示唆した(ウラジオストク市発表9月5日)。

マクドナルドは、1990年にモスクワに1号店を開店して以降、9月5日時点でロシア国内に689店舗、5万5,000人の従業員を有する。最も東にある店舗は、シベリア地域のクラスノヤルスクに立地している。

マクドナルドでは原料の98%を160の現地サプライヤーから調達しているが、今後2年で100%まで引き上げる計画だ。現地サプライヤーは、マクドナルドとの取引を通じて、品質や安全性の世界基準を習得し、160社のうち103社が海外に輸出できるようになったという。マクドナルドは、ロシア極東においては包装材などの現地調達を検討している。ロシア、ベラルーシ、カザフスタンで販売されているフィレオフィッシュには、オホーツク海で獲れたスケトウダラが使用されているという。

現在、ロシア極東では、世界大手のファーストフードチェーンであるケンタッキーフライドチキンがウラジオストクやハバロフスクなどで計12店舗、バーガーキングがウラジオストクとウスリースクに3店舗を有する。

(タギール・フジヤトフ)

(ロシア)

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