米国の8月の失業率は引き続き低水準、雇用者数増加幅は2カ月連続で縮小
(米国)
ニューヨーク発
2019年09月13日
米国労働省が9月6日に発表した8月の失業率は3.7%と、市場予想(3.7%)と同じ水準だった(表1参照)。就業者数は前月から59万人増加し、失業者数は1万9,000人減少した結果、失業率は前月から変わらなかった。
適当な仕事が見つからずに職探しを断念した者や、不本意ながらパートタイム労働に従事する者(経済的理由によるパートタイム就業者)などを含めた広義の失業率(U6)をみると、前月から0.2ポイント上昇して7.2%となった。
一方で、労働参加率(注)は63.2%と、前月(63.0%)から0.2ポイント上昇した。
8月の非農業部門の雇用者数の前月差は13万人増と、前月(15万9,000人増)と比べて増加幅が縮小したものの、拡大を続けている。ラリー・クドロー国家経済会議委員長は「米国(人)は働き、米国(人)は所得を得ており、経済は非常に力強い」と述べた(ブルームバーグ9月6日)。7月からの雇用増加の内訳を主要業種別にみると、対事業所サービス業や教育・医療サービス、建設業などを中心に増加した(表2参照)。
平均時給は28.11ドル(7月:28.00ドル)と、前月比0.4%増(同0.3%増)、前年同月比3.2%増(同3.3%増)となった。
ドイツ銀行のチーフエコノミストであるトルステン・スロック氏は「雇用者数の伸びは鈍化しており、心配な傾向」と指摘し、「全体として景気は確実に減速している」と述べた(ブルームバーグ9月6日)。
(注)労働参加率は、生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合。
(権田直)
(米国)
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