輸入米のセーフガード税率、2倍以上に引き上げへ

(フィリピン)

マニラ発

2019年09月30日

フィリピン農業省(DA)のウィリアム・ダール長官は、9月末か10月上旬にも、輸入米に適用している緊急関税制度(セーフガード)の35%の輸入関税率を少なくとも2倍(70%)以上に引き上げる方針を示した。

ダール長官は地元メディアに対して、2019年2月に施行したコメの輸入数量制限を撤廃する改正農業関税化法に基づく輸入措置によって、国内需要は十分に満たされたとした上で、「国内の零細コメ農家を守るため、1999年に成立したアンチ・ダンピング法に基づきセーフガード税率を少なくとも現在の35%から2倍以上引き上げる」と説明した。

ダール長官はさらに、20億3,800万ペソ(約42億7,980万円、1ペソ=2.1円)のコメ競争力増進基金(RCEF)を創設し、2024年までに1ヘクタール当たりの収穫量を6トンに引き上げることや稲作コストの30%削減、そして収穫後の輸送・保管の過程、小売り・外食の廃棄などといったポストハーベストロスを12%まで低減するとした。

フィリピン統計庁(PSA)によると、8月末時点のコメ農家からの買い入れ価格は1キロ当たり16.88ペソと、これまでの平均的な価格よりも4.4%程度低下している。また現在、フィリピンのコメ自給率は94%で、6%を輸入に頼っている。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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