サウジ石油施設攻撃を受け、トランプ米大統領が戦略石油備蓄の放出許可

(米国、サウジアラビア)

米州課

2019年09月17日

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの石油施設が9月14日に攻撃され、同国の石油生産の約半分が停止していることを受けて、米国の原油先物価格(WTI)は一時63ドル台へ急騰した。米国では、シェール革命で原油の輸入量が減少しているとはいえ、サウジからの原油輸入量は2018年で日量87万バレルと、同年の輸入量全体の11.2%を占める。トランプ大統領は9月15日、原油市場の安定化のため、必要であれば米国の戦略石油備蓄(SPR)から石油を放出する許可を与えた。SPR外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、1975年エネルギー政策・節約法に基づき、連邦政府が緊急時に備えてテキサス州とルイジアナ州内の計4カ所の連邦施設で備蓄している石油で、米国エネルギー情報局(EIA)によると、備蓄量は9月6日時点で6億4,481万バレル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますある。

サウジアラムコは当面、在庫から石油供給を続けるとしているが、復旧が遅れる場合、原油価格はさらに上昇するとの見方もある。米国エネルギー省のリック・ペリー長官は、国際エネルギー機関(IEA)と協調して、国際的な原油市場の安定確保に向けて対応策を検討する意向を示した。

(木村誠)

(米国、サウジアラビア)

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