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第3回民主党米大統領候補者討論会、対中追加関税批判で一致も、撤廃明言する候補者おらず

(米国)

ニューヨーク発

2019年09月17日

2020年米国大統領選挙の民主党候補者による第3回討論会が9月12日、テキサス州ヒューストンで開催された。米国4大ネットワークの1つABCニュースが主催した。会場のテキサス・サザン大学は伝統的に黒人学生の割合が高い。大勢の学生とその家族、地元住民が集まった。

過去2回の討論会では、候補者は各日10人ずつに分かれて、2日間にわたって行われたが、今回は民主党全国委員会(NDC)が設定した参加基準(2019年8月2日記事参照)を満たした10人(注)だけが登壇し討論を展開した。支持率トップを走るジョー・バイデン前副大統領とエリザベス・ウォレン上院議員(マサチューセッツ州)、バーニー・サンダース上院議員(バーモント州)が初めてそろって顔を合わせる場となり、国民の注目が集まった。

午後7時(米中部時間)から開始された討論は3時間弱に及び、論点は医療保険制度から銃規制、不法移民対策、通商政策、中東政策、学生ローン問題など多岐にわたった。特に争点になったのは医療保険制度で、冒頭からバイデン氏とサンダース氏、ウォレン氏が互いの政策を批判し合う展開となった。ウォレン、サンダース両氏が掲げる国民皆保険制度(メディケア・フォー・オール2019)について、ウォレン氏は、費用を大企業や高所得者の税負担によって賄うことで、中間層や低所得者の負担を減らし、保護する考えを訴えた。これに対してバイデン氏は、両氏が掲げる国民皆保険制度を開始するには膨大な費用と時間がかかるとして、多くの国民が今すぐに加入できる保険制度が必要だと主張した。さらに、国民皆保険制度は結果的に中間層の税負担を増やさざる得ない状況になると批判した。

銃規制に関しては、ベト・オルーク前下院議員(テキサス州)が、8月に地元エルパソのウォルマートで22人が犠牲になった銃乱射事件に使用されたミリタリースタイルのライフル銃AR-15とAK-47を政府が国民から強制的に買い戻すべきと訴えた。多くの候補者がオルーク氏の政策に賛同した。

討論会の後半では、対中追加関税を中心に通商政策も議論された。候補者は皆、トランプ政権の通商政策を批判し、農家や労働者の保護、同盟国との連携などを訴えた。ウォレン氏は、米国の通商政策は長年にわたって大手多国籍企業のみに有利な政策が取られ、農家を破産に追い込み、労働者の職を奪っているとして、政策協議の席に労働者や農家、環境保護主義者の代表も加えるべきと主張した。これにバイデン氏も同調した。コーリー・ブッカー上院議員(ニュージャージー州)は、トランプ大統領の米国第一主義は世界の同盟国から米国を孤立させていると指摘し、通商問題だけに限らず、地球温暖化など共通の問題認識を持つ同盟国と一致団結して中国と闘わなければいけないと主張した。しかし、現在賦課されている対中追加関税を撤廃するか、との司会者からの質問に対して、即座に撤廃すると発言した候補者は1人もいなかった。対中強硬姿勢は必要としつつも、具体的な対応策への言及は乏しかった。

第3回討論会の勝者に関するメディア各紙の論調をみると、総じてウォレン氏を評価する声が多かった。NDCによると、次回の討論会は10月15日、オハイオ州ウェスタービルで、「ニューヨーク・タイムズ」紙とCNNにより開催される。

(注)討論会に参加したのは、エイミー・クロブチャー上院議員(ミネソタ州)、コーリー・ブッカー氏、ピート・ブッティジェッジ・インディアナ州サウスベンド市長、バーニー・サンダース氏、ジョー・バイデン氏、エリザベス・ウォレン氏、カマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州)、アンドリュー・ヤン氏(起業家)、ベト・オルーク氏、フリアン・カストロ元住宅都市開発長官。

(湯浅麻里絵、若松勇)

(米国)

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