中国中鉄、ソロモン諸島で約900億円のプロジェクト落札、台湾との断交直前に発表

(中国)

広州発

2019年09月26日

中国の国有インフラ企業である中国中鉄は9月12日、ソロモン諸島のゴールドリッジ金鉱山採掘プロジェクトを落札したと発表した。プロジェクトは第1期が露天採掘、第2期が深部開発と地下採掘、ならびに道路・橋、尾鉱池、港、水力発電所の建設など。竣工(しゅんこう)予定はソロモン諸島政府による同採掘プロジェクトの運営開始予定日の2034年3月12日とされている。

プロジェクトの落札額は8億2,500万ドルで、中国中鉄の2018年の売り上げの0.78%となる。

ソロモンへの経済支援は明言せず

ソロモン諸島は台湾と外交関係を有していたが、中国中鉄による発表直後の9月16日に中国との外交関係樹立を決定、台湾外交部は同日付でソロモン諸島との外交関係の終了を発表した。中国政府は9月21日付でソロモン諸島との外交関係樹立を発表している。

中国外交部は9月17日の定例記者会見で、「これまで台湾がソロモン諸島に行っていた経済的援助を中国が代わりに担うのか」との質問に対し、「中国との外交関係樹立がソロモン諸島にこれまでにない発展のチャンスを与える」と述べるにとどめた。

また、中国によるソロモン諸島を含む太平洋諸島諸国への融資とインフラ支援が受け入れ国の大きな債務負担となっている点について見解を問われると、「中国による貸し付けは受け入れ国の発展に必要な分野に行っており、債務問題が発生した国については友好的交渉による解決を図る」と表明した上で、「現時点で、中国との協力プロジェクトによって債務危機に陥っている国はない」とした。

(河野円洋)

(中国)

ビジネス短信 47843e8c6c142769