リハビリ・介護・健康管理機器の出展増加、ASEAN最大級の医療機器展示会が開催

(タイ)

バンコク発

2019年09月30日

ASEAN最大級の医療機器展示会「メディカル・フェア・タイランド(Medical Fair Thailand)」が9月11~13日、タイの首都バンコクで開催された。従来の医療機器メーカーの出展に加え、高齢化社会に突入しているタイで注目されるリハビリや介護、健康管理機器分野からの出展が目立った。

2年前に比べ出展企業・来場者数とも2割増加

この展示会は、メッセ・デュッセルドルフ・アジアが主催し、タイとシンガポールで毎年交互に開催される。今回は約1,000社・団体が出展した。うち、日本からの出展は76社・団体だった。来場者数は約1万1,000人に上った。前回のタイ開催時(2017年)では、830社・団体が出展、約9,000人が来場しており、出展企業・来場者数ともに2割増となった。

展示会は毎年11月にドイツ・デュッセルドルフで開催される世界最大規模の医療機器展示会メディカ(MEDICA)の東南アジア版と位置付けられている。

個人情報保護など規制への対応に課題も

日本からもリハビリや介護をサポートするロボットや健康状態を測定する機器が出展された。モノのインターネット(IoT)技術を利用した製品も多く展示され、日常の健康管理や生活習慣の改善を促すことにビジネスチャンスを見いだす動きもあった。主催団体の担当者は「2年前よりもリハビリ・介護関係の製品が増えており、(この分野で先行する)日系企業の東南アジアにおける存在感も増すのではないか」と話していた。出展した日系企業は「これまでは病院への商品販売が主だったが、今後は一般家庭のほか、ジムやフィットネスセンターに販売し、個人顧客の拡大に努めたい」と語った。

一方で、タイ国民の健康データの取得や蓄積を行うサービスを提供する場合、個人情報保護法や電波法、通信事業法など、これまで医療分野で接点の少なかった規制への対応が必要となる。タイでは2019年5月から新たに個人情報保護法が施行されており、それへの対応が求められてくるだろう(2019年5月31日記事参照)。

写真 人の動きに合わせて動くロボット(ジェトロ撮影)

人の動きに合わせて動くロボット(ジェトロ撮影)

写真 健康測定機の実演(ジェトロ撮影)

健康測定機の実演(ジェトロ撮影)

(平林拓朗)

(タイ)

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