ソフトバンク、オンライン不動産賃貸仲介企業に出資

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年09月12日

ブラジルのオンライン不動産賃貸仲介企業キントアンダール外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは9月10日、ソフトバンクグループ(SBG)と米投資会社ドラゴニアーグループが率いるコンソーシアムから2億5,000万ドルの出資を受けたことを発表した。SBGはかねてブラジルの有望なスタートアップ企業に出資しており、3月には、20億ドルを拠出して出資を募り、ブラジルやアルゼンチンなど南米各国やメキシコの企業に投資する50億ドル規模の「ソフトバンク・イノベーションファンド」を設立すると発表していた。

キントアンダールは2013年に創業。インターネットを通じて保証人や保証金なしでマンションなどの物件を借りられるブラジルトップクラスの不動産賃貸物件量を仲介する企業に成長している。

ブラジルの賃貸仲介では、借り手は家賃未払いリスクに対応するために、厳格な所得審査に加えて、高額な保証金もしくは連帯保証人が求められるため、賃貸物件をなかなか借りられないという課題がある。さらに、未払いなどの賃貸リスクを回避するため、家主は借り手との間で契約書の作成や調整に3週間ほど要することが一般的となっている。

そこで、キントアンダールは国内の保険会社との提携や独自の審査ノウハウで、家賃未払いリスクを低減して連帯保証人や保証金を不要とする賃貸仲介を立ち上げ、さらに、定型の契約書に基づき、大量の物件をスピーディーに仲介することに成功した。同社は今回の出資を受け、新たな技術開発やブラジル北東部へのビジネス拡大を図り、2020年には海外展開も計画している。

出資受け入れで同社の企業評価額が10億ドル以上となることが見込まれる。ブラジル国内では、(1)99(オンライン・タクシー配車)、(2)ヌーバンク(Nubank、オンラインカード決済・ネットバンク)、(3)アルコ・エデュカソン(Arco Educacao、オンライン教育システム)、(4)アイ・フード(iFood、オンラインフードデリバリー)、(5)ストーン(Stone、カード決済ソリューション)、(6)ジム・パス(Gympass、フィットネス)、(7)ロッジ(Loggi、配送アプリ)に次いで、8番目のユニコーン企業となる。

(大久保敦)

(ブラジル)

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