「株式会社いつも.」とロシア郵便、日本製品販売に向けたロシア向け越境ECサイトを立ち上げ

(ロシア、日本)

欧州ロシアCIS課

2019年09月17日

国内・海外での電子商取引(EC)支援、EC事業の立ち上げからフルフィルメント(注)に至るサービスをワンストップで提供する「株式会社いつも.」は9月5日、ウラジオストクで開催された第5回東方経済フォーラムの枠内で、ロシア郵便とロシアでの日本製品の販売に向けた越境ECサイトの立ち上げに関する覚書を締結した。

本協力は、日本郵便とロシア郵便が2018年5月25日に締結した日ロ郵便協力に関する覚書の枠内で実施される。ロシア郵便は11月に日本製品を扱うECサイト「Kupi Japan」(仮称)を立ち上げることを計画しており、「いつも.」はロシア郵便と、本ECサイトの開始に向けて協力することで基本合意した。

本覚書に基づき、「いつも.」はECサイトで販売される製品の情報や、広告・マーケティング資料をロシア郵便に提供する。ロシア郵便のECサイトを通じて、注文を受けた商品のロシアへの発送手続き、オンラインショップの運営、広告・プロモーション、日本から国際郵便により送付された商品のロシア国内の購入者への配達を担当する。今回のECサイト設立について、「いつも.」はロシア国内のオンラインショップにおいて、高品質として認知されている日本製品の需要が高まっていることが背景にあるとしている。

「いつも.」の坂本守代表取締役は「ロシアの人口は1億4,000万で、越境eコマース市場は約6,000億円。今後、さらにeコマースの発展が望まれる世界有数の市場」とし、ロシア郵便のニコライ・ポドグゾフ総裁は「『いつも.』と正式なパートナーシップを締結することで、顧客に透明性の高い注文プロセス、短い納期、日本製品をベストな価格で迅速に提供できる」と語った。

ロシアの大手ビジネスメディア「RBK」ニュース(3月1日)によると、ロシア郵便は2023年までの戦略として、2018年に1,900億ルーブル(約3,230億円、1ルーブル=約1.7円)だった売上高を、2023年には2,740億ルーブルまで拡大させることを目標としている。売上増加に向けて国際速達郵便、物流サービスを拡充するとし、そのためにa.自身の物流サービスを活用した外国の戦略的パートナーとのECサイトの創設、b.ECサイト向けの物流サービス(郵便を含む)の立ち上げ、c.輸出サービスの拡大(ロシア製品の外国への供給チャンネルの整備)を図ることを検討しているようだ。

(注)商品受注から決済に至るまでの業務全般を指す。具体的には梱包(こんぽう)・発送業務、入金管理、在庫管理、物流管理、顧客管理など。

(齋藤寛)

(ロシア、日本)

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