日系企業、ブラジルで初のドローンによる浮体式生産貯蔵積出設備のタンク検査実施

(米国、ブラジル)

ヒューストン発

2019年08月01日

テラドローン(本社:東京都渋谷区)のブラジル法人テラドローン・ブラジルは7月23日、同社のドローンを用いて、ブラジル国営石油会社ペトロブラスが保有する浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)タンクの目視検査を実施した旨を公表した。ブラジルでは、FPSOタンクのドローンによる目視検査は初めての試みだ。

検査の対象となったFPSOは、ブラジルの南東部沖合に位置するプレソルト層における生産に用いられるもので、検査は洋上で行われ、FPSO内の2つのタンクの点検を約1時間で完了。ドローンによって撮影された高精度な画像・動画データを基に、40もの検査箇所の詳細なレポートを作成した。これにより、タンク内の腐食、亀裂、破損が特定され、安全性の向上、メンテナンスの効率化が実証された。

従来の方法では、4人程度の作業員が、ロープもしくは足場を使用して、目視検査に要する時間はおおよそ半日から丸1日に及び、長時間にわたる高所作業の危険が伴っていた。しかし、テラドローンはタンクの点検にドローンを活用することで、時間の短縮および高所作業の危険を削減することに成功した。

テラドローン・ブラジルは、ドローンによる船舶、またはFPSOなどのオフショア設備の検査サービスプロバイダーとして、アメリカ船級協会(ABS)、ロイド船級協会(Lloyds' Register)、DNV GLの3機関からの認証を取得している。

テラドローンは、ドローンを活用した土木測量、鉱山測量、橋をはじめとする施設点検、オイル&ガスの点検作業サービスを国内外に提供している。

(中川直人)

(米国、ブラジル)

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