ネット上の放送とVODサービスもRTUKの管轄に

トルコの官報30849号（8月1日付）によると、インターネット上でのテレビ・ラジオ放送と、米国のネットフリックス（Netflix）のようなビデオオンデマンド（VOD）サービスの所管がラジオ・テレビ高等機構（RTUK）に決まった。これによりテレビ・ラジオ放送と、VODによるコンテンツもRTUKが監督し、RTUKの規制に反するコンテンツがあった場合には、RTUKがコンテンツの放送停止、コンテンツへのアクセス禁止などの措置を講じることが可能となった。

従来、テレビ・ラジオの放送はライセンスを取得して活動していたが、VODサービスや、ネットのみに放送するテレビ・ラジオに関しては、ライセンスが不要だった。また、VODコンテンツ、テレビ・ラジオのネット放送は、RTUKのコンテンツ確認の対象ではなかったため、普段、テレビでモザイクをかけられるたばこや酒をそのまま放送できていた。本規則の変更により、電波放送のテレビ・ラジオ放送と、ネット上のテレビ・ラジオ放送、VODサービスが同じ扱いになった。

国内外からトルコ向けにテレビ・ラジオ放送と、VODサービスを提供する企業は、RTUKからの放送ライセンスの取得を条件に放送活動が認められる。ライセンスなしに放送する企業は警告を受け、指定された期間内にライセンスを取得しない場合は、ウェブサイトへのアクセスが禁止される。本規則は8月1日の発効だが、ライセンス取得に係る条項は9月1日に発効する。

ネット上でラジオ・テレビ・VODサービスを提供する企業は、RTUKから目的別のライセンスを申請する。ラジオ放送ライセンス取得料は1万リラ（約19万円、1リラ＝約19円）、テレビ放送ライセンスは10万リラ、VODのライセンスは10万リラだ。各企業は各ライセンス料のほかに、毎年の純売上額の0.5％をRTUKに支払う必要がある。

トルコには、Netflixのほか、国内ドウシュ財閥のプフティービー（puhu tv）、ドアン財閥のブルティービー（Blu TV）などのVODサービス、トルコの大手通信事業者チュルクセル（Turkcell）のテレビプラス（TV＋）や、通信企業チュルクテレコム（TurkTelekom）のティービーブ（Tivibu）などのオンラインテレビサービスを提供する企業がある。マーケット調査会社トゥエンティファイ（Twentify）が2018年7月に発表したレポート（トルコ語）によると、VODの満足度は、テレビ放送をネット上で提供するサービスよりも高く、オンデマンドサービスはコンテンツの豊富さで、マーケットシェアを拡大させる傾向にあるとされている。

（エライ・バシュ）