2020年の最低賃金(時給)は2.87%増の8,590ウォンに

(韓国)

ソウル発

2019年08月08日

韓国の雇用労働部は8月5日、2020年の最低賃金(時給)を前年比2.87%増の8,590ウォン(約747円、1ウォン=約0.087円)と告示し、正式に決定した。2020年の最低賃金を月単位〔週40時間基準、有給週休を含む、月間209時間(注1)〕に換算すると、前年比5万160ウォン増の179万5,310ウォンとなる。

同部の発表に先立ち、最低賃金委員会は7月12日、第13回全員会議を開催し、2020年の最低賃金(時給)を8,590ウォンと議決していた(注2)。同委員会は、最低賃金の影響を受ける労働者数は137万~415万人、影響率は8.6~20.7%になると推定した。なお最低賃金は、全国一律で全ての業種に対し同一金額が適用される。

同議決結果を受け、金尙祖 (キム・サンジョ)青瓦台政策室長は7月14日に行ったブリーフィングで、文在寅(ムン・ジェイン)大統領から「3年(2017~2020年)以内に最低賃金を1万ウォンとする公約を達成できなくなったことを申し訳なく思う」とのコメントがあったと述べた。

韓国政府は、最低賃金を2018年は前年比16.4%、2019年は10.9%、それぞれ引き上げたが、2020年の引き上げ幅は大幅に抑制した格好だ(図参照)。

図 韓国の最低賃金(時給)の推移(2010~2020年)

(注1)209時間={(1週間当たり所定労働時間40時間+有給週休8時間)÷7×365}÷12

(注2)雇用労働部長官は、最低賃金委員会が議決した金額を公開し、利害関係者の意見聴取を経て、最終決定を告示することになっている。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

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