6月の貿易黒字、過去最高を記録

(オーストラリア)

シドニー発

2019年08月13日

オーストラリア統計局(ABS)は8月6日、6月の貿易収支(財・サービス収支)を発表した。貿易黒字は80億3,600万オーストラリア・ドル(約5,785億9,200万円、豪ドル、豪ドル=約72円)と、前月から30%(18億6,300万豪ドル増)伸び、過去最高を記録した。

また、2018/2019年度第4四半期(2019年4~6月)の貿易収支は190億2,100万豪ドルの黒字となり、直前の第3四半期(1~3月)から38億7,200万豪ドル増となった。

4~6月の財の輸出は、前期比4.3%増の993億9,900万豪ドルとなった(表1参照)。品目別にみると、資源高値により鉱業輸出の好調が続き、特に鉄鉱石・鉱物は19.2%増を記録した。他方、農産品は、干ばつなどの影響で穀物が10.1%減少するなど、全体として3.1%減となった。

表1 オーストラリアの財の輸出(品目別)

財の輸入は伸び悩み、前期比0.4%増の799億9,300万豪ドルとなった(表2参照)。品目別にみると、資本財(0.6%増)と中間財・その他(0.8%増)が微増した。その中でも、民間航空機・関連機器(36.3%増)は大きく増加した。一方、消費財は1.0%減となり、主に自動車(7.6%減)、家電製品(6.0%減)の減少が目立った。

表2 オーストラリアの財の輸入(品目別)

過去最大の月間貿易黒字を記録したことを受け、サイモン・バーミンガム外務・貿易相は、モリソン政権が自由貿易と市場開放の推進へ継続的にコミットしてきた成果の表れだとして、今回の結果を歓迎した。オーストラリアの主要メディアでは、経常収支が1975年以降初めて黒字になる可能性に期待しつつも、通貨安と国内需要の減速による輸入の伸び悩みに対する懸念も見受けられた。

(住裕美)

(オーストラリア)

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