上半期の新車販売台数は2.3%増の29万6,334台

(マレーシア)

クアラルンプール発

2019年08月09日

マレーシア自動車連盟(MAA)は7月18日、2019年上半期(1~6月)の乗用車と商用車を合わせた新車販売台数を発表した。販売台数は前年同期比2.3%増の29万6,334台と、2年連続の増加になった(表1参照)。販売台数の増加に伴い、生産台数は1.5%増の28万5,028台だった。

表1 自動車新車販売台数の内訳

外国自動車メーカーが軒並み前年同期割れ

メーカー別にみると、市場シェアの4割を占める国民車メーカーのプロドゥアが前年同期比4.0%増の12万1,782台と堅調だった。もう1つの国民車メーカーのプロトンは、前年上半期の31.2%減から一転、60.5%増とV字回復をみせた。好調な売れ行きの背景には、両社にとって初となるスポーツ用多目的車(SUV)を発売したことがある。プロトンは2018年12月に「X70」を、プロドゥアは2019年1月に「アルス」をそれぞれ発売し、2019年上半期はともに約1万5,000台が販売された。特に、「X70」は、2017年にプロトンと中国の吉利汽車が提携してから初めて生産されたモデルで、内装や安全運転システムなど高級な仕様にもかかわらず、最高で12万リンギ(約312万円、1リンギ=約26円)台という価格設定が人気の理由だという。

他方、国民車メーカーの好調に押され、日本車を含む外資系自動車メーカーは軒並み前年上半期を下回った(表2参照)。日系では、ホンダが4万4,260台とメーカー別で2位を維持したが、13.8%減と2桁の減少になった。トヨタも1.4%減で、4位にとどまった。

表2 主要メーカー(上位10位)別の自動車販売台数

通年の販売台数見通しは据え置き

2019年通年の新車販売台数の見通しについてMAAは、2019年上半期における販売実績が通年想定台数の49.4%に達したことから、通年の想定台数を60万台に据え置くことを決めた。

改定が遅れている国家自動車政策(NAP)(2019年版)については、9月ごろに発表される予定だ(「ザ・マレーシアン・リザーブ」紙7月26日)。次世代型省エネ自動車の開発・生産能力向上のほかに、マハティール首相が推進する第3国民車の計画に関する政策措置などが盛り込まれることが予想される。

(エスター頼敏寧)

(マレーシア)

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