7月の失業率は引き続き低水準、雇用者数の増加幅は前月から縮小

(米国)

ニューヨーク発

2019年08月07日

米国労働省が8月2日に発表した7月の失業率は3.7%と、市場予想(3.6%)を上回った(表1参照)。就業者数が前月から28万3,000人増加し、失業者数も8万8,000人増加した結果、失業率は前月(3.7%)から変わらなかった。

適当な仕事が見つからずに職探しを断念した者や、不本意ながらパートタイム労働に従事する者(経済的理由によるパートタイム就業者)などを含めた広義の失業率(U6)をみると、前月から0.2ポイント低下して7.0%となった。2000年12月(6.9%)以来、18年半ぶりの低水準。

一方で、労働参加率(注)は63.0%と、前月(62.9%)から0.1ポイント上昇した。

表1 米国の雇用統計(7月速報)

7月の非農業部門の雇用者数は、前月差で16万4,000人増となり、前月(19万3,000人増)と比べて増加幅は縮小したものの、拡大を続けている。マイク・ペンス米副大統領は8月2日、ツイッターを通じて、「われわれの政策はうまくいっており、米国人は大統領の下で勝利している」と述べた。6月と7月を比較した雇用増加の内訳を主要業種別にみると、教育・医療サービス業や対事業所サービス業などを中心に増加した(表2参照)。

表2 主要業種別雇用増加数(前月差)の内訳(7月速報)

こうした中、平均時給は27.98ドル(6月:27.90ドル)と、前月比0.3%増(同0.3%増)、前年同月比3.2%増(同3.1%増)となった。

英国調査会社キャピタル・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、アンドリュー・ハンター氏は今回の結果について、「世界経済の成長鈍化や(各国の)通商政策といった懸念に対して、米国経済はまだそれなりに持ちこたえていることを示している」述べた(「CNBCニュース」電子版8月2日)。

(注)労働参加率は、生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合。

(権田直)

(米国)

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