プラユット首相が施政方針演説、経済政策など強調

(タイ)

バンコク発

2019年08月06日

5年ぶりに民政復帰したタイにおいて、首相に選出されたプラユット氏は7月25日、施政方針演説を行った。経済面では、「タイの競争力を高める。タイを中進国から脱却させ、国民に十分な収入をもたらすことで格差を減らしていく」と訴えた。さらに、タイ東部の3つの県を経済特区に指定する「東部経済回廊(EEC)」の事業を継続する方針を示し、インフラ整備を進めていくと強調した。今後取り組むべきと言及した12の分野は以下のとおり。

  1. 食糧と生活手段の確保
  2. 福祉制度と生活の質の改善
  3. 世界経済の変動への対処
  4. 農家の財政支援と技術革新
  5. 労働者の能力向上
  6. 未来に向けた経済基盤づくり
  7. デジタル分野の教育を充実
  8. 政治家と官僚の腐敗を撲滅
  9. 南部の麻薬撲滅と治安の回復
  10. 公共サービスの向上
  11. 干ばつや洪水への対策
  12. 憲法改正の研究と世論調査

プラユット首相の施政方針演説を受けて、各界からは、最低賃金の引き上げなどの施策に対する懸念の声が出た(表参照)。

表 プラユット首相の施政方針演説を受けた各界からの反応

なお、副首相のソムキット氏が、関係閣僚を集めた経済関係委員会を組織するとしていることからも、タイ政府の経済面への注力がうかがえる。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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