世界最大規模のゲーム見本市「gamescom2019」開催、ゲーム内課金市場拡大が鮮明に

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2019年08月30日

世界最大規模のゲーム関連見本市「ゲームズコム(gamescom)2019外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が8月20~24日、ドイツ・ケルンで開催された。見本市は年々拡大傾向にあり、100カ国以上から37万3,000人(2018年:37万人)が来訪し(注)、このうち3万1,300人(2018年:3万1,200人)がビジネス目的で来場したという。出展企業数は1,153社(2018年:1,037社)と、前年比で11.2%の伸びを記録した。出展企業の約70%はドイツ国外からの参加だった。また、見本市の新たな特設ウェブサイト「ゲームズコム・ナウ(gamescom now)」では、ゲームのデモや会場内のイベントのライブストリーミング、見本市のブースツアー、インタビューなどのコンテンツが提供され、大きな注目を集めた。このプラットフォームを含めたゲームズコム内の映像コンテンツは世界中から1億回以上も検索されたという。

ドイツのゲーム業界団体のドイツゲーム協会(game)がゲームズコムに合わせて、8月13日に発表したプレスリリースによると、2019年上半期のドイツのゲーム市場規模は28億1,300万ユーロと、前年同期比で11.3%増加した(表参照)。内訳をみると、ゲーム内課金が11億500万ユーロで最も大きい割合を占め、前年同期比で27.6%増加した。コンソール(ゲーム専用機)やゲーム用のコンピュータ、アクセサリーなどのハードウエアの売上高は9億8,600万ユーロ、ゲームソフト自体の購入は4億3,900万ユーロと、それぞれ前年同期と比較して市場が縮小した一方、オンラインサービス手数料は2億2,800万ユーロと52.0%の伸びを記録している。

表 ドイツのゲーム市場規模と内訳

ドイツIT・通信・ニューメディア産業連合会(BITKOM)が8月14日に発表した2019年のゲーム市場のトレンドに関するアンケート調査によると、85%(複数回答可、2018年:79%)のゲームユーザーがスマートフォンでゲームをしているとし、コンソール(77%)を上回った。また、クラウドを利用したストリーミングによって同じゲームを複数のゲーム端末でプレーすると回答した人も2016年の18%から29%に増加した。今後、第5世代移動通信システム(5G)の導入でクラウド・ゲーミング市場のさらなる拡大が期待されるとしている。

次回のゲームズコムは2020年8月25~29日に開催される予定。

写真 多くの来場者でにぎわいを見せるゲームズコム会場(ケルンメッセ提供)

多くの来場者でにぎわいを見せるゲームズコム会場(ケルンメッセ提供)

写真 最新のゲームが体験できる(ケルンメッセ提供)

最新のゲームが体験できる(ケルンメッセ提供)

(注)最終日の来場者数は推定値。

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

ビジネス短信 6b22b39c21a8bb89