中国最大の再使用型ロケットの打ち上げに成功

(中国)

武漢発

2019年08月23日

ライブ動画配信サービス「闘魚」(ドウユウ)を運営する武漢闘魚網絡科技は8月10日、青海省で実施した「RLV-T5」再使用型ロケットの打ち上げ実験に成功したと発表した。ロケットは、「超級火箭」(スーパーロケット」と名付けられ、打ち上げ用ロケットの開発に取り組む深センの民間企業の翎客航天科技とともに取り組んだもの。

「長江日報」などの地元紙は、「中国最大の再使用可能型ロケット実験に成功」として大きく取り上げた。ロケットは、重量1.5トン、高さ8.1メートルの再使用可能型試験ロケットとして開発されており、2019年に2度の低空(第1回は高度20メートル、第2回は40メートル)での打ち上げ回収実験の成功を経て、今回は高度300メートル超の打ち上げおよび回収に成功した。なお、着陸誤差は7センチメートル以内にとどまったという。

湖北省武漢市では、同市が注力する主要産業の1つとして、宇宙航空産業を掲げている。2016年に国家発展改革委員会が批准した「武漢国家宇宙産業基地実施方案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に基づき、武漢市新洲区では中国初の商業用宇宙産業基地となる「武漢国家航天産業基地」(以下、基地)を建設中だ。地元紙によれば、同基地では、中国航天科工グループ企業による工場建設が進められている。また、同基地では2020年には固定燃料ロケット「快舟」シリーズの量産が可能になるほか、各種航空、宇宙関連企業による運搬用ロケットや衛星システムなどの製造および関連サービスの提供を行うためのプロジェクトが進められるという。

(佐伯岳彦、李成一)

(中国)

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