国内検査・認証体制を整備、輸出のボトルネック改善に向け一歩

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年08月26日

シャフカト・ミルジヨエフ大統領は8月15日、大統領決定第4419号「ウズベキスタン共和国のさらなる検査施設の発展と適合評価システムの向上について」に署名した。同決定は2019年から2021年にかけて、ウズベキスタン国内で国際基準の認証・証明を交付できる機関の設置、人材の育成などを進めるもの。同国では今までそのような機関が存在せず、同国産品の輸出の際の障害となっていた。

2020年1月1日から、公営企業「審査・認証共和国センター(ウズスタンダルト)」を「科学検査・品質管理ウズベクセンター(ウズテスト)」に再編する。新しい組織は同国の主力輸出分野であるa.食品・農産品、b.電機製品c.軽工業品、d.機械製品、e.建設資材、f.ポリマー・化学製品の分野で、新しい分析機器を導入し、ISO(国際標準化機構)、IEC(国際電気標準会議)基準、UNECE(国際連合欧州経済委員会)規則、EN(欧州標準化委員会)規格、コーデックス規格などの国際基準に対応した検査・試験を実施できるようにする。

設備導入に係る費用は、世界銀行(国際復興開発銀行)による長期融資(1,160万ドル)と民間銀行〔ウニクレジットバンク(チェコ)〕による融資(388万ユーロ)で賄う。導入予定の設備は、a.化学分析、b.微生物分析、c.色素分析、d.遺伝子分析、e.その他試験関連の5つの分野でリスト化され、同決定の別添5に掲載されている。

ウズテストは、前身のウズスタンダルトから、全国で16の支部を引き継ぐ。製造・輸出業者の利便性に配慮し、各支部は所在する地域の主力輸出品に合わせ、検査・認証項目の専門化を図る。また、ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)の導入に向けたクラス開講、外国人専門家の招聘(しょうへい)、学生の海外専門機関への派遣・研修などを通じて、基準認証分野での人材育成を急ぐ予定。

ウズベキスタン政府は、食品、農産品、化学品、軽工業品などの輸出振興に力を入れている。しかし、これまで国内には国際基準に対応した認証機関(設備)がなかった。このため、輸出企業は手間とコストをかけて、ウズベキスタン国外で規格認証を取得しなければならない状況だった。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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