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アトム、英仏向け防振手袋VibeRest輸出で日EU・EPAを利用

(日本、EU、英国、フランス)

欧州ロシアCIS課

2019年08月20日

手袋など各種作業用品を製造しているアトム(広島県竹原市)は創業以来、顧客の声を製品づくりに反映、独創的なノウハウで開発を行う。EU向けには付加価値製品に特化し、独自技術による防振手袋VibeRestなどを主に輸出している。アトムはこうした防振手袋のフランスや英国向け輸出で、日EU経済連携協定(EPA)による関税の優遇待遇を既に受けている。ジェトロは8月1日、同社の営業本部海外営業係の森下哲樹係長に、欧州輸出の取り組みや日EU・EPAの活用状況について聞いた。

輸出売り上げは欧州向けがもともと中心だったが、その後、南米にも輸出を始め、ここ4年で北米向けが増加。現在は欧州、北米、南米が各3割程度の良いバランスになっている。

手袋の規格は欧州が進んでいて、規格を満たすと、その規格の付加価値を高く評価する傾向があるため、EN規格を取得し、付加価値を高めた製品を輸出することに特化しているという。EU向けは、一般手袋では価格競争に勝てないため、独自技術によるVibeRestなどの防振手袋が中心となっている。手袋に特別に配合された個々の振動軽減ゴムは、防振手袋規格EN ISO 10819:2013に準拠し、25H~1,000Hzの範囲で振動を軽減。人間工学に基づいて設計されており、快適さと柔軟性の双方を提供しているという。

写真 防振手袋VibeRest®(アトム提供)

防振手袋VibeRest®(アトム提供)

欧州での展示会は、2年に1度デュッセルドルフで開催される安全保護具の見本市A+A(国際労働安全機材・技術展)に出展している。欧州では、関係が1度できると取引が長く続く。一番長い付き合いが英国の顧客だという。ドイツの展示会は質が高く、アフリカや南米からも顧客が来るため、欧州域外にも販路が広がる。

8%の関税率削減をてこに価格競争力を高め営業の手段に

日EU・EPAは2月の発効時点から、フランスと英国向けで関税撤廃の適用を受けている。発効に先駆け、輸入者側に利用の有無を照会したところ、理解していなかったため、説明することから始まった。また、英国向けは2月の時点では、3月29日で使えなくなる可能性があった。しかし、英国のEU離脱の状況が変わってきているので、継続してフォローしている。英国は相応の売り上げがあるので重要だ。日EU・EPAの利用がないと、関税率は8%なので、その効果は大きい。手袋は1円単位のレベルで競争があるため、8%で随分競争力が変わるという。関税の恩恵は輸入者側が全て得る。価格交渉はしておらず、顧客のメリットになることを売りに営業の手段にしている。

関税削減の恩恵を得るための原産性基準は加工工程基準であり、2工程ルールを満たしている。原料を購入し、紡績することはしていないので、糸にした状態で輸入し、編み立てて、染色を行っている。自己申告文をインボイス上に記載し、現状は問題なく使えているが、自己申告制度には少し不安がある。何か不備があった場合に責任があるからで、生産内容証明書などの書類をそろえるなどの対応について日々勉強している。当初は適用できるかを事前教示制度で確認したかったが、確認を得るまでに時間がかかり、発効までに間に合わないため、断念した経緯がある。

現在、日EU・EPAのほかに、ベトナム、スイス、チリ向けの輸出で個別のEPAを活用している。カナダ向けも利用したいが、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)の原産性基準のハードルが高く、難しいと感じている。

(田中晋)

(日本、EU、英国、フランス)

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