南部イタリアを攻めるアマゾン、拡大する需要に対応

(イタリア)

ミラノ発

2019年08月14日

米国の電子商取引大手アマゾンがイタリア南部カンパニア州(州都ナポリ)の都市アルツァーノに倉庫を開設した。7月30日付の地元紙「イルデナロ」が報じたほか、同州政府も同日、フェイスブックで記事を紹介した。アマゾンはこれまで拠点を設けてこなかった南部イタリアでのビジネス拡大を目指す。

同社は2011年にイタリア初の物流拠点を北部エミリア=ロマーニャ州に設立した。現在ではイタリア国内の複数の地域に同様の拠点を構えるが、主にローマ以北に集中していた。今回、1万3,000平方メートルの面積を持つ倉庫をアルツァーノに新設した。倉庫では注文された商品が配送先に応じて分類、整理される。アマゾンは同地域への進出を通じて地元配送業者の事業拡大を支援し、より広く柔軟な配送ネットワークを構築することで、南部イタリアで拡大する消費者需要に対応する予定だ。

南部イタリアでの投資拡大を強調

アマゾンは、イタリアにここ9年間で16億ユーロを投資、5,500人を超える雇用を生み出してきたことを強調。今回のアルツァーノでの新拠点設立で、30人を超える新規雇用を見込む。

南部イタリアでは高い失業率が社会問題となっており、2019年第1四半期(1~3月)の統計では、カンパニア州で21.6%、南部全体で19.4%を記録している。アマゾンの新拠点設立に当たって、カンパニア州のビンチェンツォ・デ・ルーカ知事は謝意を示しつつ、従業員の安定した雇用も求めている。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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