中国産のアニメ映画「哪吒之魔童降世」が大ヒット

(中国)

北京発

2019年08月20日

中国産のアニメ映画「哪吒之魔童降世(英語名:Ne Zha)」の興行収入が、7月26日の公開から8月18日までで40億元(約600億円、1元=約15円)を突破した。中国で公開された映画の歴代興行収入ランキングで4位(8月18日時点)となり、中国で劇場公開された国産アニメ映画の中で最大のヒット作となっている。

この作品は、主人公の哪吒の成長物語で、キャラクター設定は20世紀の中国名作アニメ「大鬧天宮(Havoc in Heaven)」と「哪吒鬧海(Nezha Conquers the Dragon King)」を継承しつつ、哪吒の生い立ち、特徴、性格を現代の観客に合わせて再設定している。

現地メディアでは、ヒットの理由について、「中国のアニメ製作技術が大きく成長し、世界一流の水準に近づいており、業界大手の投資に恵まれたことなどがヒットにつながった」と報じた(「北京商報」8月7日)。

中国映画家協会が6月に発表した「2019年中国映画産業研究報告」によると、2016~2018年の時期は国産アニメ映画の低迷期で、2015年に公開された「西遊記之大聖帰来(MONKEY KING:HERO IS BACK、日本語名:西遊記ヒーロー・イズ・バック)ほどのヒットには恵まれていなかったという。上海映画家協会の石川副主席は「今回の作品は、古典的作品に現代的な要素を取り入れ、国産アニメ映画に対する新たな期待を呼び起こした」と述べた(新華網7月31日)。なお、同作品の続編に当たる「哪吒2」も間もなく公開されることが発表されている。

(趙薇)

(中国)

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