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第2四半期GDP成長率は前期比マイナスに、ブレグジット対応準備が影響

(英国)

ロンドン発

2019年08月14日

英国国民統計局(ONS)の8月9日の発表によると、2019年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(速報値)は前期比でマイナス0.2%、前年同期比1.2%となり、いずれも、第1四半期(1~3月)の成長率(前期比0.5%、前年同期比1.8%)を下回った(図、表参照)。なお、前期比ベースでのマイナス成長は2012年第4四半期以来となる。

図 英国の四半期別GDP成長率の推移
表 英国の実質GDP成長率(前年同期比) 

実質GDP成長率の減速は、3月末に予定されていた英国のEU離脱(ブレグジット)に対する、企業の対応準備の反動が大きい。企業は英国の合意なきEU離脱(ノー・ディール)への対応として、第1四半期に在庫の積み増しをしたためGDP成長率が押し上げられた一方、第2四半期はこれらの在庫調整が行われたほか、自動車メーカーがブレグジットのコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)の一環として本来、夏季に行う定期修理のための工場停止を4月に実施したため減速したと、ONSは指摘している。

需要項目別にみると、個人消費と政府支出は前期比で、それぞれ0.5%増、0.7%増、前年同期比で1.8%増、2.7%増と引き続き成長に寄与した。一方、輸出、輸入ともに在庫の積み増しなどを行った2019年第1四半期からの反動が大きく、前期比でそれぞれ3.3%減、12.9%減、前年同期比で0.5%増、0.8%減となった。特に、輸入を前期比でみると、第1四半期の在庫積み上げの影響により、10.8%増から12.9%減へと大きく反転した。総固定資本形成も2.2ポイントの大幅低下だった(前年同期ベースでは0.4ポイント減)。

産業別に前期比でみると、農林水産業、鉱工業、建設はそれぞれ0.4%減、1.4%減、1.3%減と軒並み縮小し、サービス産業のみが0.1%増となった。鉱工業は、2012年第4四半期以来の落ち込みだった。特に、製造業が2.3%減(前年同期比でも0.9%減)となった影響が大きく、これは、自動車などの輸送機器産業で主要国での需要減やブレグジット後の混乱回避を想定して、4月に実施した工場停止による生産減少が要因。好調だったサービス産業も陰りが見え始め、直近3年間で最も低い水準の成長率となった。サービス業の購買担当者指数(PMI)はほぼ停滞しており、国内経済の低迷と継続的なブレグジットの不確実性が高まっているためだと、ONSは分析している。

英国産業連盟(CBI)は今回の発表について、成長の推進力は、世界経済の停滞とブレグジットの不確実性により抑制されているとし、「10月31日までに離脱協定の合意を確保することが経済を活性化するための最初のステップだ」と、合意なき離脱に対して警鐘を鳴らした。

(鵜澤聡)

(英国)

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