日本の百貨店でもテンセントの機能を活用

(日本、中国)

広州発

2019年08月08日

エイチ・ツー・オー・リテイリンググループの阪急阪神百貨店は7月16日、中国のSNS最大手である騰訊控股(テンセント・ホールディングス、本社:広東省深セン市)から、ウィーチャットペイスマート旗艦百貨店に認定された(「人民日報」7月17日)。

阪急阪神百貨店では、2017年からテンセントのサービスを利用しており、中国からの観光客向けにウィーチャットペイによるキャシュレス決済に加え、レストランでの注文にも対応するなど、利便性向上に取り組んでいる(表参照)。

表 阪急阪神百貨店におけるテンセントのサービスの導入状況

テンセントは2018年にスマートリテール部門を創設したが、これまで蓄積したデータと技術を生かし、ウィーチャットペイを導入した企業に対して上記のような支援を行っている。

中国人旅行者消費額のシェアがトップ

テンセント・ホールディングスが発表した2019年第1四半期(1~3月)の財務報告書によると、SNS・微信(ウィーチャット)の同期間(3カ月)の月平均アクティブユーザー数は前年同期比6.9%増の11億1,200万人に達した。

ウィーチャットのサービスはメッセンジャー機能だけでなく、アプリ内のオンライン店舗での買い物や食事の注文などができる機能もあり、中国の訪日客にも利用されている。

また、日本の国土交通省観光庁が7月17日に発表した「訪日外国人消費動向調査」によると、2019年4~6月期の訪日外国人旅行消費額は、前年同期比13.0%増の1兆2,810億円と過去最高を記録した。うち、中国人観光客による消費額は全体の36.7%を占める4,706億円でトップだった。

同調査によると、出発前に役に立った旅行情報源については、SNSが2017年に21.4%、2018年に23.7%と、2年連続で個人のブログに次いで2位となった。日本滞在時の決済方法では、微信支付(ウィーチャットペイ)などのモバイル決済が1割を超えた。

(盧真)

(日本、中国)

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