成都市、ナイトタイムエコノミーのモデルスポット35カ所を公表

(中国)

成都発

2019年08月23日

成都市は2019年8月2日、市内の魅力的なナイトスポットを紹介した「成都ナイトタイムエコノミーモデルスポット35」(以下、モデルスポット)を公表した。成都市が2018年8月に発表した「成都グローバル消費都市の建設加速に向けた行動計画」の中で、成都市のナイトタイムエコノミーを活性化させる旨が目標として盛り込まれていた。今回のモデルスポットの策定は、当該目標の達成に向けた具体的なアクションプランの1つだ。

全35カ所のモデルスポットは、3グループに分類され、(1)成都市随一の商圏である春熙路などのショッピングエリアからなる「消費商圏」、(2)寛窄巷子や錦里といった成都市で人気の観光地からなる「特色街」、(3)バーや美食街などの「コミュニティー消費エリア」(中国語で「社区消費場景」)から構成されている。成都市は、2021年までに各モデルスポットに適用される管理規則を定め、市民が安全なナイトライフを享受できるよう環境整備に取り組むとしている。

中国で注目を集めるナイトタイムエコノミー

中国では経済発展やライフスタイルの多様化を背景に、夜ならではの都市生活の楽しさを充実させたいと考える人々が増えており、その消費規模の大きさから、ナイトタイムエコノミーが重要視されてきている。こうした中で、夜間まで営業時間を延長する博物館や動物園なども登場しており、昼とは異なる独特な体験を通じて来場者を魅了している。

中国の西部地域に位置する成都は日没が遅いことから、深夜遅くまで営業している商店が多く、酒場の数が中国で最も多い都市の1つとされるなど、ナイトタイムエコノミーの潜在性は高い。また成都市はもとより、消費意欲の高い都市として知られており、同市の2019年上半期の社会消費品小売総額は、前年同期比10.0%増の3,360億元と堅調な伸びをみせている。今回のモデルスポット策定を通じ、成都市のナイトエコノミー消費のさらなる拡大が期待される。

写真 平日の夜も地元民や観光客でにぎわう錦里の様子(ジェトロ撮影)

平日の夜も地元民や観光客でにぎわう錦里の様子(ジェトロ撮影)

(寺田俊作)

(中国)

ビジネス短信 04b049b4b5feb66f