オーストラリア、最低賃金が世界主要国で最高額

(オーストラリア)

シドニー発

2019年07月24日

OECDが7月上旬に発表したデータによると、オーストラリアの最低賃金(2018年)は、時給12.1米ドルと、主要32カ国(OECD加盟国のうち28カ国と非加盟国4カ国)の中で最も高い金額となった(表1参照)。

表1 主要国の最低賃金額(2018年)

オーストラリア公正労働委員会(FWC)は2019年度の最低賃金について、前年度比3.0%増と定めており、オーストラリアの新年度が始まる7月1日から適用されている。これについて、主要紙「オーストラリアン」は「オーストラリアの最低賃金は、2019年も世界最高レベルを維持するだろう」との見方を示している(表2参照)。

表2 オーストラリアの最低賃金額上昇率の推移(前年比)

ジェトロが2018年10~11月に実施した「2018年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」によると、在オーストラリア日系企業の78.1%が「人件費の高騰」を投資環境上のリスクとして挙げている。「従業員の離職率の高さ」(25.0%)も高く、日系企業にとって労務問題は引き続き大きな課題になるとみられる(表3参照)。

表3 投資環境上のリスク上位5項目

(長島麻子)

(オーストラリア)

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