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モスクワ・シェレメチェボ空港、荷役作業会社の交代で預託手荷物処理が遅滞

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年07月10日

モスクワ・シェレメチェボ空港(SVO)では5月末以降、預託手荷物処理に断続的な遅滞が発生している。ロシアのエフゲニー・ディトリフ運輸相は7月6日、SVOを視察し、8月15日までに事態を平常化するよう指示を出した。

原因として、預託手荷物の処理を行う荷役作業員の不足が指摘されている。ロシア主要経済紙「ベドモスチ」(7月9日)によると、SVOの預託手荷物処理は2019年5月まで、SVOをハブ拠点としている国有航空会社アエロフロート(SU)が行っていた。同業務はその後、SVOの運営会社「国際空港シェレメチェボ」(MASH)の子会社シェレメチェボ・ホールディング(SHH)に移管された。

SHHはこれまで、SVOで国内線が発着するターミナルBの荷役業務のみを担っていたが、SVO全体の荷役業務を任されることになったため、追加で多数の荷役作業員数の確保が必要となった。しかし、SHHは作業員の採用・育成が間に合わず、さらに、旅客数の増える夏季バカンスシーズンに入ってしまった。これにより、6月1日に2,000個の遅滞が発生。到着した飛行機から預託手荷物を回収するのに、降機した搭乗者が長く待たされる事態も発生していた。

作業員不足の要因としては、SHHの荷役作業員の給与がSUよりも10%低いことや、SU作業員は優遇価格で航空券が購入できるなど福利厚生が整っていたことから、SU作業員がSHHに移るインセンティブがなかったことが挙げられる。また、夏季休暇シーズンであること、ロシア国民でないと働くことができないといった制約(注)も、人集めを困難にしているようだ。SHHが必要としている作業員数は2,000人とされているが、現在は1,400人しか確保できていないもようだ。

MASHのアンドレイ・ニクーリン副社長は、既に500人の新規採用者に研修を受けさせているが、荷役作業員向けの研修内容は多様(危険貨物や航空機構造に関する研修に32日間、空港区域内の自動車運転手には65日間の研修が義務付け)で、「研修受講者全員が研修を修了できるとは限らない」としている(「コメルサント」紙7月8日)。

最近、ロシア国内地方都市からアエロフロートを利用し、SVO経由で成田空港に到着したある日本人は、SVOでの乗り継ぎ時間を2時間半以上空けていたにもかかわらず、預託手荷物の積み替えが間に合わなかったという。同じ便に搭乗していた他の多くの乗客も、成田空港で荷物が受け取れなかった。この日本人が成田空港職員に聞いたところ、「最近、モスクワから到着する便はほぼ毎日、搭乗者全員分の預託手荷物が積載されていない」との回答があったようだ(7月7日)。SVO発着の航空便を使う際には、預託手荷物到着の遅れを想定した準備をした方がよさそうだ。

(注)モスクワでは、一般的に建設作業などの肉体労働はCIS諸国からの労働移民が担っている。

(齋藤寛)

(ロシア)

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