米国油田サービス会社ウェザーフォード、連邦倒産法第11章に基づく再建手続き申し立て
(米国)
ヒューストン発
2019年07月08日
世界80カ国以上で事業を展開する多国籍油田サービス会社ウェザーフォード・インターナショナル(本社:スイス・バール、創業:米テキサス州)は7月1日、米国連邦倒産法第11章に基づく再建手続きを申し立てたと発表した。
発表によると、本手続きに基づく再建計画で財務再編を行い、長期借入金を58億ドル以上削減する。これに際し、顧客や仕入先、パートナー、さらに約2万6,000人に及ぶ従業員に影響を与えることなく、今後も通常どおり事業を遂行するとしている。再建手続きには、同社の他の事業体、関連会社は含まれていない。
さらに、同社は今後数カ月以内に、バミューダとアイルランドでも再建に係る審査手続きを開始するとしている。
同社は17億5,000万ドルのDIPファシリティー(注1)について、貸付機関からの約束も取り付けており、これを再建計画認可までの運転資金に充てることができる。同社は破産からの出口戦略用に次のファイナンスを利用する予定だ。
- 元本総額10億ドルまでの未引き出しの先取特権回転信用枠
- 追加資金調達に利用するため、新トランシェ(注2)Aとして最大12億5,000万ドルまで5年満期の無担保優先社債
- 既存の無担保社債の保有者に対して、新トランシェBとして12億5,000万ドルまでの7年満期の無担保優先社債
(注1) DIPファシリティー(Debtor-In-Possession Facility):債務を負った旧経営陣が再建計画認可までの期間の運転資金に充てるために金融機関から貸し付けられる資金。
(注2) トランシェ:フランス語の「一切れ」という意味で、ローンや証券化商品をリスク別など特定の条件で切り分けたもの。
(中川直人)
(米国)
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