ドバイ万博で革新的な食体験を、エミレーツ・グループが世界最大の垂直農場でコラボ

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2019年07月02日

国連の「持続可能な美食の日」である6月18日、アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ・グループ傘下のエミレーツ・フライト・ケータリング(以下、EKFC)とドバイ万博公社(以下、公社)は、2020年ドバイ国際博覧会(以下、ドバイ万博)のサブテーマである「持続可能性」に関連して「革新的な食体験」を提供する協力覚書(MOU)に調印した。

EKFCは、従来型の栽培法に比べ水使用量を99%少なくし、無農薬・無除草剤で葉野菜の生産を可能とする「垂直農法」を採用した屋内農業施設をドバイ万博会場付近に建設。垂直農場としては世界最大規模となる1,200平方メートルの敷地に1日当たり2,700キログラムの生産能力を有する。生産した新鮮な葉野菜を万博会場内のレストランに供給するとともに、会場内の複数個所に直営レストランを設置し、米国の「グレイン&グリーンズ」や、フランスの「ラ・パティストリーズ」などの有名店からトップ・シェフを招き、エコ・フレンドリーなメニューを提供する予定。

この農業施設は、エミレーツ航空の機内食やドバイ国際空港のラウンジなどで提供することを念頭に、2019年内の供給開始を予定し、EKFCが米クロップ・ワンホールディングスと共同開発することを2018年に発表していた。

ドバイ万博会場では、約85カ国・機関が設置する「セルフビルド・パビリオン」の多くで、各館の名物料理や伝統料理を提供するレストランが計画されているほか、UAEで既に展開する事業者を中心とした商業飲食店の設置も予定されている。公社が大手会計事務所KPMGと実施した調査では、万博会場で営業する飲食店の数は200以上、会期の173日間に会場で延べ5,000万食が消費され、ピーク時には1時間当たり8万5,000食が提供されると予測し、飲食施設による売上高は20億ディルハム(約580億円、1ディルハム=約29円)を見込んでいる。

(田辺直紀、安井梓)

(アラブ首長国連邦)

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