上半期のGDP成長率は5.8%、建設分野が牽引

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年07月30日

ウズベキスタン国家統計委員会は7月19日、2019年上半期のGDPを発表した。それによると、2,220兆220億スム(約28兆8,603億円、1スム=約0.013円)で、実質GDP成長率は前年同期比で5.8%となった。住民1人当たりのGDPは664万9,000スムで3.9%増だった。

主要産業の好調がGDP成長の原動力になった。GDPの伸びを特に牽引したのは、GDPのシェア7.3%を占める建設分野で、前年同期比20.0%増を記録した。中小建設業による建設実績が30%増(全体に占めるシェア54.6%)と大幅に伸びたほか、地域別では全国の新規建設事業の約20%が集中するタシケント市(注1)での伸びが29.7%増(5兆5,554億スム)だった(注2)。

写真 タシケント・シティー建設現場(ジェトロ撮影)

タシケント・シティー建設現場(ジェトロ撮影)

建設に次いで高い伸びを示したのは、鉱工業(前年同期比6.9%増)で、そのうち製造業が7.8%増だった。特に冶金(やきん)・金属加工業が好調で、付加価値額でみると、鉱工業全体に占めるシェアは28.6%(2018年上半期)から34.6%(2019年上半期)にまで拡大している。

(注1)タシケント市では地下鉄ユヌサバード線の延伸、同セルゲリンスク線建設、鉄道環状線建設、ライトレール(LRT)環状線建設、都市区画「タシケント・シティー」「アルマザル・シティー」建設・整備事業、「ヤンギ・アルマザル」「オロイ」住居区画建設など大規模開発が進められている。

(注2)旺盛な建設需要を背景に建設資材の需要が高まっている。2019年上半期にウズベキスタンは前年同期比41%増となる877万ドルのセメントを輸入。セメント製造向けに中国企業の投資が継続しており、既に国内で複数の中国資本の工場が稼働しているほか、最近ではサマルカンド州、ナマンガン州で中国企業によるセメント工場の建設が開始された。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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