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PEMEX事業計画2019~2023を発表、政府は税負担軽減と公的資金注入で支援

(メキシコ)

メキシコ発

2019年07月19日

アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は7月16日の定例会見で、メキシコ石油公社(PEMEX)への公的資金の注入と減税支援を発表した。これは、大蔵公債相、エネルギー相などで構成するPEMEX運営審議会が、「事業計画2019~2023」を満場一致で承認したことを受けたもの。

事業計画2019~2023は、PEMEXの競争力を高め、長期的な資金手当の見通しを保証するもので、具体的に2021年に収支予算を均衡させるとともに、現在日量160万バレル台の原油生産量を現政権最終年の2024年には日量平均269万バレルまで引き上げるとしている。このために、浅水および地上の油田の探査への投資を倍増させる。

これを可能にするため、2019年には政令を公布して、PEMEXが国庫に納付する石油生産にかかる税金を300億ペソ(約1,710億円、1ペソ=約5.7円)削減する。また、炭化水素資源収入法を改正して、共有利益税の税率を現在の65%から2020年には58%、2021年には54%に引き下げる。両年の減税効果は1,280億ペソとされる。さらに、資本増強を目的として国庫から資金を注入する。2020年が660億ペソ、2021年が380億ペソ、2022年が370億ペソで、合計額は1,410億ペソに達する。総額2,990億ペソの支援策だ。

ドスボカス新製油所の建設を推進

PEMEXのオクタビオ・ロメロ・オロペザ総裁は、原油とガスの生産拡大に向けて、既に発見されている油田の開発を進めるともに、新規の油井の探査や大型油田の修理にも注力していくとコメントした。また、石油精製能力を回復させるために、既存の6つの製油所のリハビリテーションを行うとともに、ドスボカス新製油所の建設も推進することを強調した。なお、PEMEXが民間企業とジョイントベンチャー(JV)を組織して鉱区開発を行うファームアウトは事業計画には含まれておらず、民間企業による参入はサービス契約が中心になるものとみられる。

事業計画に対する民間部門の見方は厳しい。PEMEXが抱える問題が税負担の増大、債務の増加、投資の不足の3点であることに鑑みるに、一定の対策にはなっているものの、2024年に日量平均269万バレルに原油生産量を引き上げるとの計画は楽観的過ぎる、というのが民間部門の見方だ。原油生産を回復させるだけでも、年間300億ドルから400億ドルを要するとの指摘もあり、3年間で2,990億ペソ(約157億ドル)でも不十分ということになる。さらに、PEMEXの税負担の大幅な軽減が国庫の歳入に大きく影響し、現政権が推進する各種の政策の実施に赤信号がともる可能性も指摘されている。

(稲葉公彦)

(メキシコ)

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