パラグアイ原産自動車製品へのメルコスール域外共通関税適用を通達

(ブラジル、パラグアイ、メルコスール)

サンパウロ発

2019年07月04日

ブラジル輸出入貿易業務ポータルサイト、貿易統合システム(SISCOMEX)は6月28日、輸入通達第30号を公示し、パラグアイ原産の自動車部品に対してメルコスール域外共通関税(TEC)を適用することを通達した。パラグアイからブラジル向け主要輸出品目であるワイヤーハーネス(NCMコード8544.30.00)のTECは16%。

通達は、メルコスール加盟4カ国における対外共通関税などを定めた経済補完協定第18号(ACE 18)により自動車・同部品と砂糖は対象外であり、優遇関税を適応して輸入することができないと警告している。

自動車・同部品の場合、メルコスール域内では、ブラジルはアルゼンチン、ウルグアイとそれぞれ自動車協定を締結している。アルゼンチンとは経済補完協定(ACE)14号第38回追加議定書により、完成車の輸出入のバランスをとる均衡係数を定めており、この範囲内での輸出入の関税は無税となる。ウルグアイとはACE 2第76回追加議定書により自由化し、数量に関係なく関税無税での輸出入が認められている。ブラジル・パラグアイ間では自動車協定が存在しないため、今回の通達により、対外共通関税が課されることが周知された。

7月2日付「ラ・ナシオン」紙によると、パラグアイのリス・クラメル商工相は「外交レベルでこの障壁が除去されると信じている」と語り、交渉合意に楽観的な見通しを示している。また、パラグアイ商工相は7月2日、ブラジル・パラグアイ自動車協定の早期締結に向け、協定案を在アスンシオンのブラジル大使館経由でブラジル外務省に送ることを公表している。

(大久保敦)

(ブラジル、パラグアイ、メルコスール)

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