2018年の北朝鮮貿易額は前年比48.8%減と急減

(韓国、北朝鮮、中国)

ソウル発

2019年07月25日

韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)は7月19日、「2018年の北朝鮮対外貿易動向」を公表し、2018年の北朝鮮の貿易額(韓国との貿易を除く)は前年比48.8%減の28億4,000万ドルと推計した(表1参照)。輸出額は86.3%減と急減し、輸入額も31.2%減となった。

KOTRAは「金正恩政権の発足後、北朝鮮の貿易総額は55億ドルから76億ドル程度を記録していたものの、2018年に初めて30億ドルを下回った。国連安全保障理事会による北朝鮮への制裁が強い影響を及ぼした」と分析している。

表1 北朝鮮の対外貿易推移

最大の貿易相手国である中国との貿易額は、前年比48.2%減の27億2,290万ドルとなったものの、貿易総額に占めるシェアは95.8%と中国への依存度は依然として高い(表2参照)。中国に次いで、ロシア、インド、パキスタン、スイスの順だが、2番目のロシアのシェアは1.2%にとどまっている。なお日本については、日本政府の独自制裁により2009年以降貿易実績はない。

表2 北朝鮮の10大貿易相手国(2018年)

品目別にみると、主な輸出製品である鉱物性燃料および繊維製品、鉄鋼、機械・電気機器の輸出が急減し、光学・精密機器(時計および部分品)と調製羽毛‧綿毛およびその製品が急増している(表3参照)。輸入は、機械・電気機器(ボイラーなど)が急減した一方、肥料が急増した。最大の輸入品目は鉱物性燃料(原油、精製油)で、中国からの原油輸入推定額(3億1,000万ドル、約50万トン)が含まれている。

表3 北朝鮮の主要品目別貿易動向

〔李丙鎬(イ・ビョンホ)〕

(韓国、北朝鮮、中国)

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