総選挙で4年ぶり政権交代、ND党首が新首相に就任

(ギリシャ)

ミラノ発

2019年07月10日

7月7日に投開票が行われたギリシャの総選挙では、新民主主義党(ND)が300議席のうち158議席を獲得して単独で議会過半数(注1)を確保し、世論調査などによる事前予測のとおり、勝利を収めた(表参照)。前与党の急進左派連合(SYRIZA)は敗北し、4年ぶりの政権交代となった。

野党も大きく入れ替わり

他政党では、右派政党ギリシャの解決策(ELLINIKI LISI)と、第1次アレクシス・ツィプラス内閣で財務相を務めていたヤニス・バルファキス氏を党首とするMERA25(DIEM25、注2)の2党が、新しく議席獲得を果たした。前回2015年総選挙で得票率6.99%、18議席を獲得し議会入りした急進右派政党・黄金の夜明け(CHRYSI AVGI)は、議会入りに必要な最低得票率である3%を割り込み、議席を失った。

主要政党の得票率と議席獲得数は表のとおり。

表 ギリシャ議会総選挙(2019年7月)の結果

ND党首のキリアコス・ミツォタキス氏は総選挙の翌8日、プロコピス・パブロプロス大統領の面前での宣誓式をし、ツィプラス前首相からの業務引き継ぎを受け、首相に就任した。

投票率は57.92%だった。夏季休暇の時期に差し掛かっているため、投票率の減少が懸念されたが、2015年9月に行われた前回総選挙を上回った。

(注1)準比例代表制を取っており、選挙では250議席を争う。第1党には50議席が与えられる。ただし、次回以降の選挙では廃止される予定。

(注2)DIEM25:EU改革とともに、欧州統合を呼び掛ける左派の汎(はん)欧州の政治グループ。MERA25は、DIEM25に所属。

(井上友里、山内正史)

(ギリシャ)

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