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アイルランドがノー・ディールの緊急対策を更新

(英国、アイルランド)

ロンドン発

2019年07月12日

アイルランド政府は7月9日、英国がEUとの合意なし(ノー・ディール)でEUを離脱することとなった場合の緊急対策計画を更新し、最新の準備状況と今後の計画PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。

政府は、英国のEU離脱(ブレグジット)の期限となる英国時間10月31日午後11時(中央ヨーロッパ時間午前0時)にノー・ディールでの離脱となるリスクが大きいとし、今後もノー・ディールへの準備を継続するとしている。緊急対策計画は、2018年12月に最初の発表(2018年12月25日記事参照)があり、ブレグジットの期限延期後も対策の検討が続けられてきた。

ノー・ディールによる経済的な影響については、特に短期的な影響が大きく、その翌年のアイルランドのGDPを3%押し下げるとしている。産業でも農業・食品分野などの輸出産業や、小売りをはじめとした輸入産業など多くの分野に影響があるとしており、5万5,000人程度の雇用が喪失する可能性を示している。

これまでの準備状況としては、政府はノー・ディールに備えた法案(2019年1月29日記事参照)を成立させたほか、アイルランドと英国の両国民が自由に行き来できる共通旅行区域(CTA)を維持するための覚書を英国政府との間で締結している。また、通関手続きの発生などに備えるため、港湾インフラの拡充や関係部署の職員増強を図っている。ダブリン港では新規に13カ所の検問所を設けるほか、貨物を運搬する大型車両向け駐車場の設置を決めた。また、税関職員の400人増員に加え、農業・食料・海洋省(DAFM)が190人、公的医療サービスを提供するHSEのスタッフを59人増員した。さらに、3億ユーロ規模のブレグジット対応のためのローンや企業の成長のためのローンスキームも整備したほか、企業庁(EI)や食品ビジネス促進機関の産業団ボードビア、中小企業の支援機関のインタートレード・アイルランドなども支援の枠組みを提供している。

政府は今後もさらなる準備を継続するとしており、今回の発表で、10月31日までに、港湾や空港のインフラのさらなる拡充、EU域内の学生の交換留学や教員の学術交流、訪問先での医療行為に対する保険制度など、北アイルランド市民のEU市民としての権利の保障、2020年度(暦年)予算へのブレグジット対策費の計上、影響が大きい企業に対して、注意喚起のため個別に連絡を行うなどの企業向けブレグジット対策キャンペーンの展開、EU加盟国との結束を重点として取り組んでいくとしている。

(木下裕之)

(英国、アイルランド)

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