日本ドラマの北米リメイクに向け「ジャパン・コンテンツ・ピッチ」をハリウッドで開催

(米国)

ロサンゼルス発

2019年06月13日

ジェトロと在ロサンゼルス日本国総領事館は6月4日、「ジャパン・コンテンツ・ピッチ(Japan Contents Pitch)」を開催した。日本から日本テレビと読売テレビの2社が参加し、日本のテレビドラマの北米リメイクに向け、計4作品をハリウッドのコンテンツバイヤーやプロデューサーへピッチ(売り込み)した。

ロサンゼルス総領事公邸で行われたイベントには、ジェトロのコンテンツアドバイザーでもあるマシ・オカ氏の協力の下、ハリウッドの芸能大手のユナイテッド・タレント・エージェンシーがハリウッドの第一線でテレビ番組制作に携わるバイヤーやプロデューサーなどを招待し、計24人が参加した。

千葉明総領事は冒頭、「日本のコンテンツには、日本文化やその感性が生きており、きっと米国のドラマ作品へリメイクした際にも生かされると信じている。本日のイベントが日本コンテンツを米国の視聴者へと届けるきっかけとなれば」とあいさつ。参加企業がそれぞれの作品についてトレーラー(粗筋)を見せながらプレゼンを行い、ストーリーや設定の魅力について紹介した。社会派ドラマ、刑事ドラマ、タイムトラベル作品などバラエティーに富んだタイトルに参加者も興味を示し、イベント後も米国参加者が日本企業へ作品について積極的に質問していた。

米国では、2017年に公開された「ゴースト・イン・ザ・シェル」や「デス・ノート」、2月公開の「アリータ:バトル・エンジェル」、5月公開の「名探偵ピカチュウ」など、日本の漫画やアニメを原作としたコンテンツのハリウッド版リメイクなどが近年ブームとなっており、ドラマ作品のリメイクも今後期待される。

米国側の参加者からは、「日本の原作は米国にない世界観を持つ作品が多いため、米国向けにリメイクする需要があると思うが、連絡先や作品の権利元を探すのに苦労することが多い」と、日本コンテンツのハードルの高さを指摘する声が聞かれた。ジェトロでは、日本と海外両方のネットワークを活用し、従来の完成コンテンツ作品の輸出支援だけでなく、リメイクを目指す原作輸出についても支援を続けていく予定だ。

写真 コンテンツの説明に耳を傾けるピッチ参加者(在ロサンゼルス日本総領事館提供)

コンテンツの説明に耳を傾けるピッチ参加者(在ロサンゼルス日本総領事館提供)

(トーレス久美子)

(米国)

ビジネス短信 feb2c76b427b1b43