米フォードの中国法人、独禁法違反で約26億円の罰金

(中国)

上海発

2019年06月07日

中国の国家市場監督管理総局は6月5日、独占禁止法(反壟断法)に違反したとして、長安福特汽車(長安フォード)に1億6,280万元(約26億480万円、1元=約16円)の罰金を科すと発表した。同局によると、長安フォードは、2013年から重慶市で価格表を設定し、ディーラーに対して販売や再販売時の最低価格を指示していた。これらの行為がディーラーの価格決定権を奪い、市場の公正な競争と消費者の利益に損害に与えたと認定され、長安フォードに対し、重慶市での年間売上高の4%に相当する罰金が科された。

米系自動車企業の独占禁止法違反をめぐっては、上海市物価局が2014年にクライスラーの中国販売会社に3,168万元、2016年にゼネラルモーターズ(GM)の中国販売会社に2億100万元の罰金を科した事例があった。

2019年1~4月の販売台数は約7割減

長安フォードは2001年4月、国有自動車メーカーの重慶長安汽車と米国フォード・モーターが折半出資で設立した合弁会社で、重慶市、浙江省杭州市、黒竜江省ハルビン市の生産基地で完成車、エンジン、変速機などを7つの工場を展開している。

長安フォードは近年、販売不振が続いている。2016年の販売台数は過去最高となる95万7,000台に達したが、2017年に82万8,000台、2018年には37万7,800台と落ち込んだ。さらに、2019年1~4月は前年同期比69.3%減の5万1,597台と大幅な減少となった。純利益も、2016年の181億6,500万元の黒字から、2018年に7億9,200万元の赤字に転落した。

今回の罰金に対し、長安フォードは「当局の決定を尊重する。既にディーラーと区域内の販売管理体制について協議した」とコメントした。

(劉元森)

(中国)

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