最近到着した移民の傾向、教育水準が高く、英語に習熟
(米国)
米州課
2019年06月07日
米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは6月3日、移民の傾向に関する調査結果を発表した。
2017年のデータでは、外国生まれの人口のうち過去5年以内に到着した移民の比率は17%、10年以上前に入国した移民は72%だった。
5年以内に到着した25歳以上の移民の47%が学位を取得しており、2010年の36%から伸びた。10年以上前に来た移民の同28%を大きく上回っている。
英語の能力では、5年以内に到着した移民の「習熟している」比率は2010年の38%から2017年は45%と伸びている。10年以上前に到着の移民では、2010年に52%、2017年に54%だった。
失業率をみると、5年以内に到着した移民が7.1%と、10年以上前に到着した移民の3.9%を上回っているが、2010年(それぞれ12.8%、9.7%)からは低下している。
所得の面では、10年以上前に到着した移民の年間所得(中央値)は3万2,000ドルで、5年以内に到着した移民の同2万4,000ドルを上回った(2010年は、それぞれ3万1,400ドル、1万8,900ドル)。
これは、学歴が高いと失業率が低くなり、大卒者がより高い収入を得るという一般的な傾向とは逆の結果となった。しかし、所得の上昇率では、2010年と2017年を比較すると、5年以内に到着した移民が27.0%増と、10年以上前に到着した移民の1.9%増を大きく上回った。
また、5年以内に到着した移民の38%はラテン・アメリカ系、35%はアジア系で、2010年のラテン・アメリカ系(48%)、アジア系(30%)と比較すると、アジア系の比率が高まっている。10年以上前に到着した移民では、ラテン・アメリカ系が54%と過半数を占めている(アジア系25%)。
(松岡智恵子)
(米国)
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