牛丼の「松屋」、ロシアで本格営業開始

(ロシア)

モスクワ発

2019年06月20日

牛丼チェーン松屋のロシア1号店(モスクワ市内)が6月19日にグランドオープンした。3月に行ったプレオープンイベント(2019年3月22日記事参照)から3カ月後の営業開始となった。

フードメニューのラインアップは表のとおり。牛めしは並盛・大盛・特盛からサイズが選べ、並盛1杯の価格はプレオープン時から想定されていた300ルーブル(約510円、1ルーブル=約1.7円)となった(表参照)。ドリンクメニューは茶やコーヒー、ジュースなどのソフトドリンクに加え、数種類のビールを提供する。今後、つまみや女性をターゲットにしたサラダなどのメニューの充実を検討している。

表 フードメニュー一覧
写真 ロシアの店舗で提供される牛めし並盛(ジェトロ撮影)

ロシアの店舗で提供される牛めし並盛(ジェトロ撮影)

店舗運営会社に出資する北海道総合商事のロシア現地法人ペガスHCの池田英希代表取締役に、営業開始までの苦労や今後の課題、展望について聞いた(6月19日)。

当初4月中旬を予定していた営業開始の遅れについて、「日本からの食材調達で問題が発生したため。牛めしやラーメン、カレーなどに使用する10種類以上のたれやカレールーなどの調味料に微量のアルコールが含まれることにより、税関からアルコール輸入ライセンスの提示を求められた」と池田氏は述べた。結局、自店舗での調理のみに使用し、販売は行わないことを書面で宣言することで輸入許可を得ることができたという。

店舗運営においては、ロシア人従業員の教育が課題だと池田氏は指摘する。細かなマニュアルの整備、調理や配膳を誘導するポップを調理場に掲示するなどの工夫はしているそうだが、円滑なオペレーションには実地経験の積み重ねが必要だという。「決められたことや指示されたこと以外への対応はまだ鈍く、日本の細やかな気配りなどの文化も教育していきたい」と池田氏は語った。今後、1号店の運営が軌道に乗れば、多店舗展開を進めるという。

写真 店内の様子(ジェトロ撮影)

店内の様子(ジェトロ撮影)

店舗情報は次のとおり。

  • 松屋メンデレエフスカヤ店
  • 住所:Sushchovskaya 27, Business center "Atmosphere", Moscow, 127030
  • 営業時間:月曜~木曜午前11時~午後10時、金曜~日曜・祝日午前11時~午後11時
  • 休業日:年末年始

(戎佑一郎)

(ロシア)

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