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ゴトウ熔接がベトナム進出へ、技能実習生の受け皿と高度人材の活用

(ベトナム、新潟)

アジア大洋州課

2019年06月17日

ゴトウ熔接(新潟県燕市)は、早ければ2019年8月にベトナム南部のロンアン省に現地法人を設立する。同省の地場系工業団地にあるレンタル工場で、進出日系企業が必要とする溶接加工を担う想定だ。同社代表取締役社長の後藤英樹氏は「輸送機器部品を製造する日系企業と協業について既に話を進めている」とする。

進出経緯は技能実習生の帰国

同社がベトナム法人を設立する経緯について、「当社で受け入れているベトナム人技能実習生が帰国するためだ。習得した技術を生かしてほしいという思いがある」と後藤氏は説明する。同社は2017年から実習生を雇用しており、「現在は1期生から3期生までの8人。今年12月以降には4期生を受け入れる予定」という。現地日系企業をターゲットとする理由は「当社が得意とするのは、手溶接とロボット溶接を組み合わせた、ステンレス、鉄、チタンなどの加工。いわゆる板金加工で、成形した製品は輸送費用に比べて高付加価値とはいえず、輸出加工には向かない」と後藤氏は話す。

高度外国人材も活用

また同社は、技能実習生よりも先に、高度外国人の活用を始めている。新潟大学の工学系学科のベトナム人留学生だったチャン・ティ・ゴック・アン氏を、2014年から社員として雇っている。アン氏は入社当初、生産現場に立ったものの、「大学で習得した知識と直接関係する業務とはいえなかった」が、現在は商品開発や営業を担当する。生産現場の経験により、生産ラインに配属されているベトナム人技能実習生への指導を担うことができている。後藤氏は「7~8年前にベトナムを訪問し、現地の活気と、人材送り出し機関の技能実習生候補の熱意を感じていた。当社としては、外国人を雇用することの抵抗感は大きくなかった」とし、「いい人材であれば、日本人でもベトナム人でも採用しない手はない」と続けた。

日本と海外との「差異」に対する理解が必要

一方で、当人と他の日本人社員との関係、日本と海外の就業意識の差異などが、さまざまな「不協和音」を生むこともあったようだ。アン氏は「アルバイト経験はあったものの、終日働くこと自体に慣れなかった。工学技術を大学で学んだにもかかわらず、溶接作業などばかりだったことにも戸惑いはあった」と語る。また、後藤氏は「社員の多くは海外に行ったこともない。アンさんを『外国人』として、日本人とは異なる接し方をしていたかもしれない」と説明する。アン氏も「実は(戸惑いから)裏で泣いたこともあった」と振り返る。

そのほか、同社にいたベトナム人技能実習生の1人は、テト(現地の旧正月)にテレビ電話で故郷の家族や交際相手と話したことで、帰国を強く希望するようになり、予定していた期間よりも早く帰国したケースもあった。

日本ではさまざまな業種、職種で人材不足が課題となり、外国人の活用を望む企業の声も聞かれるが、雇用する側は外国人材に対する理解、ケアを怠らないことも求められるといえるだろう。

写真 アン氏(左)と後藤社長(右)(ジェトロ撮影)

アン氏(左)と後藤社長(右)(ジェトロ撮影)

(小林恵介、川村勇貴)

(ベトナム、新潟)

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